【2026年最新】一般社団法人の設立費用はいくら?実費と代行手数料を徹底比較

一般社団法人の設立費用は、自分で手続きを行う場合、電子定款を利用すれば実費として約11万2,000円(公証役場の手数料や登録免許税など)が必要です。

この記事では、自分で設立する場合と、行政書士や司法書士などの専門家に代行依頼する場合(手数料相場:5万〜15万円)の費用内訳を徹底比較します。

読めば、最安で設立する手順や、電子定款による印紙代削減のコツ、さらに設立後の維持費までが明確になり、損をせずスムーズに法人を立ち上げる最適な方法が分かります。

1. 一般社団法人の設立費用はいくら?全体像と2つの選択肢

一般社団法人を設立するにあたって、最初に把握しておくべきなのは「全体でいくらの費用がかかるのか」という全体像です。

一般社団法人の設立費用は、大きく分けて法的に必ず発生する「法定費用(実費)」と、手続きをアウトソーシングする際に発生する「専門家への代行手数料」の2つに分類されます。

設立手続きを進める方法には、すべての書類を自分で準備して申請する「自分で設立する」選択肢と、行政書士や司法書士などのプロに依頼する「専門家に代行依頼する」選択肢の2つがあります。

どちらの方法を選ぶかによって、最終的に必要となる総額は大きく異なります。

まずは、それぞれの費用感と設立までの大まかな流れを把握し、自社にとって最適な選択肢を見極めましょう。

1.1 自分で設立する場合と専門家に代行依頼する場合の費用比較

自分で設立手続きを行う場合と、専門家に代行を依頼する場合の費用相場を比較すると、以下のようになります。

自分で手続きを行う場合は、専門家への報酬が発生しないため、最低限の実費(約11万〜12万円)のみで設立可能です。

一方、専門家に依頼する場合は、実費に加えて数万円〜十数万円の代行手数料が必要となります。

費用項目自分で設立する場合(電子定款を利用)専門家に代行依頼する場合
定款認証手数料(公証役場)50,000円50,000円
登録免許税(法務局)60,000円60,000円
定款の収入印紙代0円(電子定款のため不要)0円(専門家が電子定款で対応)
諸費用(印鑑作成・証明書取得など)約5,000円〜15,000円約5,000円〜15,000円
専門家への代行手数料(報酬)0円約50,000円〜150,000円
設立費用の総額(目安)約115,000円〜125,000円約165,000円〜275,000円

自分で手続きを行う場合は、電子定款を作成するための機器(ICカードリーダーや専用ソフトなど)を揃える必要があり、これらを未所有の場合は別途数千円程度の準備費用がかかることがあります。

専門家に依頼する場合は、これらの設備投資が不要なだけでなく、定款作成や公証役場・法務局とのやり取りをすべて一任できるため、確実かつスピーディーに法人を設立できます。

1.2 一般社団法人を設立するまでの大まかな流れ

一般社団法人の設立手続きは、大きく分けて以下の5つのステップで進行します。

それぞれの段階で、必要となる書類の作成や費用の支払いが発生します。

  1. 事前準備(基本事項の決定と印鑑作成):法人の名称(商号)、事業目的、主たる事務所の所在地、役員(理事・監事など)および社員の構成を決定します。この段階で、法務局に登録する「法人実印(代表者印)」を作成し、役員の印鑑証明書を取得します。
  2. 定款の作成:法人の根本規則となる「定款(ていかん)」を作成します。定款には、法人の運営方法や事業内容などを細かく記載する必要があります。
  3. 公証役場での定款認証:作成した定款を公証役場に提出し、公証人による認証を受けます。この際、定款認証手数料として50,000円を支払います。紙の定款で認証を受ける場合は、さらに40,000円の収入印紙代が必要になります。
  4. 法務局への設立登記申請:法人の所在地を管轄する法務局へ、設立登記申請書と添付書類を提出します。この申請日が「一般社団法人の設立日」となります。申請の際、登録免許税として60,000円を国税として納めます。
  5. 登記完了と各種届出:法務局での審査が完了すると、一般社団法人の設立登記が完了します。登記完了後は、履歴事項全部証明書(登記簿謄本)や法人の印鑑証明書を取得し、税務署や都道府県税事務所、年金事務所などへ設立届出を行います。

このように、一般社団法人の設立には複数の公的機関が関わっており、それぞれのステップで正確な書類作成と費用の支払いが求められます。

全体像と流れを正しく把握した上で、自分で行うか専門家に依頼するかを慎重に判断しましょう。

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2. 自分で手続きする場合の一般社団法人の設立費用と内訳

一般社団法人を専門家に頼まず、すべて自分自身で設立手続きを行う場合、国や公証役場に支払う「法定費用(実費)」が費用の大部分を占めることになります。

自分で手続きをすれば代行手数料を節約できますが、法定費用自体を免除することはできません。

まずは、自力で設立する際に最低限必要となる費用の内訳と、その具体的な詳細を確認していきましょう。

2.1 必ず発生する法定費用(実費)の合計額

一般社団法人の設立において、どうしても発生する法定費用の合計額は、定款を「紙」で作成するか「電子データ(電子定款)」で作成するかによって異なります。

具体的な費用の差は以下の通りです。

費用項目紙の定款で設立する場合電子定款で設立する場合
定款認証手数料50,000円50,000円
定款の謄本手数料約1,000円〜2,000円約1,000円〜2,000円
登録免許税60,000円60,000円
収入印紙代40,000円0円
法定費用の合計額約151,000円〜152,000円約111,000円〜112,000円

表からわかるように、電子定款を採用することで、設立費用を4万円安く抑えることが可能になります。

この法定費用のほかに、法人の実印作成代や個人の印鑑証明書の発行手数料などの雑費が数千円〜数万円ほど上乗せされます。

2.2 公証役場で支払う定款認証手数料

一般社団法人を設立するためには、法人の根本規則を定めた「定款」を作成し、公証役場で公証人にその内容が適法であるかを証明してもらう「定款認証」という手続きを受ける必要があります。

この定款認証の際に公証役場へ支払う手数料は、全国一律で50,000円と定められています。

なお、定款認証手数料のほかに、認証された定款の写しである「謄本(とうほん)」の交付手数料が別途発生します。

謄本は法務局への登記申請用と、法人自体の保存用として通常2部取得する必要があり、定款のページ数に応じて1枚あたり250円(総額1,000円〜2,000円程度)が加算されます。

2.3 法務局に納める登録免許税

定款認証が完了した後、法務局へ設立登記を申請する段階で納める税金が「登録免許税」です。

一般社団法人の登録免許税は、一律で60,000円と法律で定められています。

株式会社を設立する場合は最低でも15万円の登録免許税が必要となるため、一般社団法人は初期の税負担を大幅に低く抑えられる点が特徴です。

この登録免許税は、登記申請書に金額分の収入印紙を貼り付けて法務局へ提出することで納付します。

2.4 定款に貼る収入印紙代と電子定款による削減効果

従来の「紙」で定款を作成する場合、印紙税法に基づき40,000円の収入印紙を定款に貼付して消印する必要があります。

しかし、定款をPDFなどのデジタルデータで作成し、電子署名を付与して申請する「電子定款」の仕組みを利用すれば、印紙税法の対象外となるため、収入印紙代の40,000円が完全に不要となります。

ただし、自分自身で電子定款を作成・申請するためには、マイナンバーカードやICカードリーダー、PDFに電子署名を付与するための専用ソフト(Adobe Acrobatなど)を用意しなければなりません。

これらの機材やソフトウェアを一から買い揃える場合、数万円の初期費用が発生するため、環境が整っていない個人が完全に独力で行うと、結果的に削減効果が薄れてしまう点には注意が必要です。

2.5 その他に必要な諸費用(印鑑作成代や証明書取得費用)

国や公証役場に直接納める法定費用以外にも、設立手続きを完了させるためにどうしても発生する諸費用があります。主な項目は以下の通りです。

1. 法人実印(代表者印)の作成費用(約3,000円〜20,000円)
法務局へ登記申請を行う際、法人の実印(代表者印)を登録する必要があります。そのため、申請前までに必ず法人用の印鑑を作成しておかなければなりません。印鑑の材質やセット内容(実印・銀行印・角印の3点セットなど)によって価格は大きく変動します。

2. 個人の印鑑証明書の発行手数料(約300円〜600円)
定款認証や登記申請の際、設立時社員や設立時理事となるメンバーの個人の印鑑証明書が必要となります。自治体の窓口やマイナンバーカードを利用したコンビニ交付などで取得し、1通あたり300円程度の実費がかかります。

3. 登記後の証明書取得費用(約1,000円〜3,000円)
無事に設立登記が完了した後、法人の銀行口座を開設したり、税務署へ届出を行ったりする際に、法人の「履歴事項全部証明書(登記簿謄本)」や「法人の印鑑証明書」の提出を求められます。これらは法務局で取得する際、履歴事項全部証明書が1通600円(オンライン請求の場合は480円)、法人の印鑑証明書が1通450円(オンライン請求の場合は390円)の手数料が必要です。

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3. 専門家に代行依頼する場合の一般社団法人の設立費用と手数料相場

一般社団法人の設立手続きを専門家に依頼する場合、国や公証役場に支払う「法定費用(実費)」とは別に、専門家への報酬である「代行手数料」が発生します。

依頼する専門家の資格やサービス内容によって、費用相場やサポートしてくれる範囲が大きく異なります。

まずは、主な依頼先である行政書士、司法書士、そして格安の代行サービスを利用した場合の費用と特徴を一覧表で比較してみましょう。

依頼先・サービス代行手数料の相場実費を含めた総額目安主なサポート範囲と特徴
行政書士約50,000円 〜 150,000円約160,000円 〜 260,000円定款作成や認証手続きの代行、設立後の許認可手続きの相談。※登記申請は提携司法書士または本人が行う。
司法書士約50,000円 〜 150,000円約160,000円 〜 260,000円定款作成から法務局への登記申請まで一括代行。完全な丸投げが可能。
格安代行サービス約10,000円 〜 30,000円約120,000円 〜 150,000円電子定款の作成・認証のみを代行。法務局への書類提出は自分で行う。

3.1 行政書士に依頼する場合の費用とサポート範囲

行政書士に一般社団法人の設立を依頼する場合の代行手数料は、一般的に50,000円から150,000円程度が相場となっています。

行政書士は官公署に提出する書類作成の専門家であるため、定款の作成や公証役場での定款認証手続きをスムーズに進めてくれます。

行政書士に依頼する主なメリットとサポート範囲は以下の通りです。

  • 定款の作成および電子定款による認証手続きの代行
  • 一般社団法人の事業目的に適合する定款内容のアドバイス
  • 設立後に特定の許認可(介護事業や非営利活動に関連する事業など)が必要な場合の、許認可申請を見据えた定款設計

ただし、行政書士は法律上、法務局への登記申請手続きを代理で行うことはできません。

そのため、最終的な法務局への登記申請は、依頼主本人が行うか、行政書士が提携している司法書士に別途依頼する形になります。

提携司法書士が登記を行う場合、その分の追加手数料が発生することがあるため、事前に見積もりを確認することが重要です。

3.2 司法書士に依頼する場合の費用と登記手続きのメリット

司法書士に一般社団法人の設立を依頼する場合の代行手数料は、約50,000円から150,000円程度が相場であり、行政書士と大きく変わりません。

司法書士は登記手続きの専門家であるため、定款の作成から法務局への登記申請まで、すべての手続きを一気通貫で代行できる唯一の資格者です。

司法書士に依頼する最大のメリットは、法務局への登記申請まで完全に丸投げできる点にあります。

自分自身が平日の日中に法務局へ足を運ぶ必要がなく、書類の不備による差し戻しのリスクも極めて低くなります。

また、登記の専門家であるため、将来的な役員変更や本店移転など、設立後の変更登記手続きについても継続して相談しやすいというメリットがあります。

手続きに一切の手間をかけたくない場合や、確実に最短で登記を完了させたいという場合は、司法書士への依頼が最も適しています。

3.3 格安の設立代行サービスやクラウドソフトを利用する費用

できるだけ費用を抑えつつ、手続きの手間も減らしたいという場合に選択肢となるのが、格安の設立代行サービスや会社設立クラウドソフトの利用です。

格安の設立代行サービスでは、代行手数料が10,000円から30,000円程度に抑えられているケースがあります。

これらは主に「電子定款の作成と認証手続きのみ」を代行するサービスです。

自分で電子定款を作成するための環境(ICカードリーダーや専用ソフトなど)を整える必要がないため、実費を節約しつつ面倒な定款作成を外注できます。

ただし、法務局への登記申請書類の作成や提出は、自分で行う必要があります。

また、インターネット上で必要事項を入力するだけで設立書類が自動作成できる「会社設立クラウドソフト」も存在します。

一般社団法人に対応しているサービスや、定款作成ツールを利用する場合、ソフトの利用料自体は無料から数千円程度で済むことがあります。

この場合も、作成された書類の印刷や製本、公証役場や法務局への出向きなどはすべて自分で行う必要があります。

手軽に書類を作成したいが、申請手続き自体は自分で行う時間が取れるという方に向いている方法です。

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4. 自分で設立するか専門家に代行依頼するかを選ぶ基準

一般社団法人を設立する際、すべての手続きを自分で行うか、それとも専門家に代行を依頼するかは、予算や準備に割ける時間によって判断が分かれます。

単に「費用が安いから」という理由だけで自分で行う方法を選ぶと、思わぬ手続きの遅延や、設立後の法的トラブルを招くリスクもあります。

ご自身の状況に合わせて最適な選択ができるよう、それぞれの特徴を詳しく比較していきましょう。

4.1 自分で一般社団法人を設立するメリットとデメリット

自分で設立手続きを行う最大の魅力は、外部に支払うコストを最小限に抑えられる点にあります。

しかし、その分だけ本人が負担する作業量と責任は大きくなります。

4.1.1 自分で設立するメリット

自分自身で手続きを行う最大のメリットは、専門家に支払う代行手数料(報酬)をゼロに抑えられることです。
これにより、最低限必要となる法定費用(約11万2,000円から)のみで法人を立ち上げることができます。
また、定款の作成や公証役場、法務局での手続きを自ら経験することで、一般社団法人の仕組みや組織運営に関する法的ルールを深く理解できる点も大きなメリットです。

4.1.2 自分で設立するデメリット

一方で、書類の作成や公証役場・法務局への出向など、多大な時間と労力がかかることが最大のデメリットです。
専門知識がない状態からスタートするため、定款の記載内容に不備が生じやすく、何度も修正を求められて設立完了までに想定以上の時間がかかるケースが珍しくありません。
特に、税制上の優遇措置を受けられる「非営利型」の一般社団法人を目指す場合、定款の要件が厳格であるため、自己判断で作成すると要件を満たせず、設立後に課税対象となってしまうリスクがあります。

4.2 専門家に代行依頼するメリットとデメリット

行政書士や司法書士などの専門家に依頼する場合、一定の費用は発生しますが、手続きの正確性とスピードを担保することができます。

4.2.1 専門家に代行依頼するメリット

専門家に依頼する最大のメリットは、確実かつスピーディーに一般社団法人を設立できることです。
プロが書類作成から申請までを主導するため、書類の不備による差し戻しが発生せず、希望する日程に合わせて登記を完了させることができます。
また、専門家は電子定款に対応しているため、自分で紙の定款を作成する際に必要な収入印紙代4万円を節約できます。
さらに、非営利型の要件を満たす定款の設計や、役員構成に関する法的なアドバイスを受けられるため、将来の運営を見据えた強固な組織基盤を作ることができます。

4.2.2 専門家に代行依頼するデメリット

デメリットは、数万円から十数万円程度の代行手数料が別途発生する点です。
設立初期の予算が限られている場合、この手数料が資金面での負担となることがあります。
また、どの専門家に依頼すべきかを選定し、事前の打ち合わせやヒアリングに対応する時間も必要となります。

4.3 【比較表】「自分で行う」VS「専門家に依頼する」判断基準

どちらの方法が適しているかを判断するための基準を、以下の表にまとめました。

予算、時間、そして手続きの正確性のうち、何を最優先するかを基準に検討してください。

比較項目自分で設立する専門家に代行依頼する
発生する費用法定費用のみ(約11.2万円〜)法定費用 + 代行手数料(約5万〜15万円)
必要な時間と手間調べる時間や書類作成、役場への往復に数十時間の作業が発生する必要書類への捺印や署名のみで、最小限の手間で済む
設立までの期間不備の修正などで数週間〜数ヶ月かかる場合があるノウハウがあるため、最短スケジュールで設立可能
手続きの正確性知識不足による定款の不備や登記ミスのリスクがあるプロが作成するため、法的に完璧な書類が完成する
おすすめの対象者時間に余裕があり、とにかく初期費用を抑えたい人本業が忙しく、確実かつ迅速に法人化したい人
会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

5. 一般社団法人の設立費用をできるだけ安く抑えるポイント

一般社団法人の設立には、法定費用として最低でも約11万円から16万円程度の実費がかかります。

しかし、手続きの方法や準備の進め方を工夫することで、無駄な支出を徹底的に排除し、設立コストを最小限に抑えることが可能です。

ここでは、設立費用を安く抑えるための具体的なポイントを詳しく解説します。

5.1 電子定款を利用して印紙代を節約する

一般社団法人を設立する際、最も大きな節約効果を得られるのが「電子定款」の導入です。

従来の紙で作成する定款の場合、印紙税法に基づき40,000円の収入印紙を貼り付ける必要があります。

しかし、定款をPDFなどの電子データとして作成し、電子署名を付与した電子定款を利用すれば、定款に貼る収入印紙代40,000円が不要(0円)になります。

ただし、自分自身で電子定款を作成・申請するためには、マイナンバーカードやICカードリーダー、電子署名に対応した専用のPDF編集ソフト(Adobe Acrobatなど)を用意しなければなりません。

これらの機材やソフトウェアを新規に購入すると、数万円の出費となり、40,000円の節約効果が相殺されてしまう可能性があります。

そのため、費用を抑えつつ電子定款の恩恵を受けるには、以下の表のように「クラウド型設立支援サービス」や「電子定款作成の代行サービス」を利用するのが賢い選択肢となります。

定款の作成方法収入印紙代必要な機器・ツールのコストコスト削減効果
紙の定款(自分で作成)40,000円不要(0円)なし(基準)
電子定款(すべて自分で準備)0円約10,000円〜30,000円(機器・ソフト代)約10,000円〜30,000円の浮いた分のみ
電子定款(クラウドサービス等を利用)0円数千円程度(サービス利用料)約35,000円以上の実質削減

すでに必要な機材が揃っている場合を除き、外部の安価なシステムや代行サポートを部分的に活用することが、結果として最大のコスト削減につながります。

5.2 事前の準備を徹底して余計な手数料を防ぐ

設立費用を抑えるもう一つのポイントは、手続き上のミスをなくし、余計な出費を未然に防ぐことです。

事前の確認や準備を怠ると、書類の再作成や再申請が発生し、交通費や郵送代、さらには再手続きに伴う手数料などの余分なコストが蓄積してしまいます。

特に、定款の認証を受けた後に内容の重大な誤りに気づいた場合、再度定款を作り直して認証を受け直す必要があり、数万円の認証手数料が二重にかかってしまう最悪のケースも考えられます。

このような失敗を防ぐために、以下の事前準備を徹底しましょう。

5.2.1 1. 類似商号の調査と事業目的の事前確認

同一市区町村内に似たような名前の法人がないか、また、登記しようとする事業目的の文言が法的に認められる表現になっているかを事前に確認します。
管轄の法務局で事前に相談しておくことで、登記申請時の却下や補正(修正)指示を防ぐことができます。

5.2.2 2. 公証役場での定款案の事前チェック

定款の認証を正式に申請する前に、作成した定款の原案を公証人にメールやファックスで送り、事前に内容を確認してもらうことができます。
この事前確認を利用すれば、認証当日に不備が発覚して手続きがストップするリスクをゼロにできます。

5.2.3 3. 必要書類の有効期限と部数の確認

設立手続きに必要な印鑑証明書などは、すべて「発行から3ヶ月以内」のものでなければなりません。
期限が切れていると再取得のために役所へ行く手間と手数料が再度発生します。
また、必要部数をあらかじめリストアップし、一度の役所訪問で揃えるようにしましょう。

発生しやすいトラブル発生する余計なコストコストを防ぐための事前対策
定款認証後の内容ミス発覚再度の定款認証手数料(50,000円)公証役場による定款案の事前確認を必ず受ける
事業目的の不備による登記却下法務局への往復交通費、書類の刷り直し費用法務局の登記相談窓口で事業目的を事前確認する
証明書類の期限切れ・不足再取得の手数料、役所への再訪問コスト必要書類の発行日(3ヶ月以内)と部数を事前にチェックする

このように、時間と手間のロスはそのまま金銭的なコストに直結します。
スケジュールに余裕を持ち、各機関の事前確認サービスをフルに活用することが、最も確実な節約術となります。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

6. 一般社団法人の設立後にかかる維持費用もチェック

一般社団法人は、設立手続きが完了した後も、法人を維持していくためのランニングコストが定期的に発生します。

「設立費用は安く抑えられたものの、その後の維持費が払えない」という事態に陥らないよう、あらかじめ必要な維持費用の全体像を把握しておくことが重要です。

ここでは、毎年発生する税金や、数年ごとに必要となる登記費用について詳しく解説します。

6.1 毎年発生する税金(法人住民税の均等割など)

一般社団法人を設立すると、たとえ事業活動が赤字であっても、毎年最低限支払わなければならない税金として「法人住民税の均等割」が発生します。

法人住民税は、地方自治体から受ける行政サービスに対して支払う税金であり、法人の所得(利益)に関わらず、法人の規模や所在する自治体に応じて定額で課税されます。

標準的な一般社団法人(従業者数50人以下)の場合、毎年発生する法人住民税の均等割の目安は以下の通りです。

税金の種類課税の基準年間の費用目安
都道府県民税(均等割)法人の事務所が所在する都道府県約20,000円
市町村民税(均等割)法人の事務所が所在する市区町村約50,000円
合計赤字であっても毎年発生する最低納税額約70,000円

※東京23区内にのみ事務所がある場合は、都民税として一括して約70,000円を納めます。

また、自治体によっては、特定の非営利活動を行う一般社団法人に対して均等割の減免措置を設けている場合もありますが、申請手続きや要件の確認が必要です。

さらに、毎年の決算手続きや確定申告を税理士に依頼する場合は、年間10万円から30万円程度の税理士報酬も維持費用として見込んでおく必要があります。

6.2 非営利型と普通型による課税対象の違いとコストへの影響

一般社団法人には、税法上の区分として「非営利型」と「普通型(非営利型以外の一般社団法人)」の2種類が存在します。

どちらの区分に該当するかによって、課税対象となる収入の範囲が大きく異なり、毎年の税負担に甚大な影響を与えます。

法人の区分課税対象となる収入の範囲税制上の特徴とコストへの影響
非営利型法律で定められた34の「収益事業」から生じた所得のみ会費や寄付金、助成金などの非収益事業の収入には課税されません。税負担を大幅に抑えることが可能ですが、非営利性を担保するための厳しい要件を満たし続ける必要があります。
普通型すべての事業から生じた所得(会費や寄付金を含む)株式会社と同様に、すべての所得に対して法人税が課税されます。要件の維持コストはかかりませんが、非収益事業の収入に対しても課税されるため税負担が重くなる傾向があります。

非営利型の要件を満たすためには、定款に「剰余金の分配を行わないこと」や「解散時の残余財産を国や一定の公益的な団体に帰属させること」などを明記し、実際にその通りに運営する必要があります。

非営利型を選択することで税務コストを抑えられる一方で、税務申告の難易度が上がるため、専門家への相談費用が余分に発生することもあります。

6.3 役員の任期満了に伴う役員変更登記の費用

一般社団法人の運営において、定期的に発生する見落としがちなコストが「役員の変更登記費用」です。

一般社団法人の役員(理事・監事)には、法律によって最長の任期が定められています。

理事の任期は選任後2年、監事の任期は選任後4年が限度となっており、定款でこれより短い期間を定めることはできますが、引き延ばすことはできません。

そのため、たとえ同じメンバーがそのまま役員を続ける(重任する)場合であっても、任期が満了するたびに役員の改選を行い、法務局で変更登記の手続きを行う義務があります。

役員変更登記にかかる費用の内訳は以下の通りです。

項目の種類費用の内容費用の目安
登録免許税(実費)法務局に納める国税10,000円
司法書士報酬(代行時)手続きを専門家に依頼する場合の手数料約20,000円〜50,000円

この登記手続きを怠り、放置していると「登記懈怠(とうきけたい)」となり、裁判所から100万円以下の過料を科されるリスクがあります。

役員の任期管理と、定期的に発生する登記費用は、一般社団法人の運営コストとして必ず予算に組み込んでおきましょう。

7. まとめ:一般社団法人の設立費用を理解して最適な選択を

一般社団法人の設立には、自分で手続きを行う場合でも法定費用として最低約11万円の実費が必要です。確実かつスムーズに設立を進めたい場合は、代行手数料(相場5万〜15万円)を支払って司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

費用を抑えたい場合は、クラウドソフトの活用も有効な選択肢です。

また、設立後も毎年約7万円の法人住民税などの維持費が発生するため、将来的なコストも見据えて、自社に最適な方法を選択しましょう。

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