1. マネーフォワード会社設立とは?基本機能と特徴
マネーフォワード会社設立は、株式会社や合同会社の設立に必要な書類を、画面の案内に沿って入力するだけで一括作成できるクラウドサービスです。
法務局や税務署、年金事務所などに提出する書類の作成に対応しており、専門知識がない方でも手順に沿って進めるだけで設立準備を整えられます。
サービス内で対応している主な機能や作成可能な書類の範囲は、以下のとおりです。
| 項目 | 機能・対応内容 |
|---|---|
| 対応法人形態 | 株式会社、合同会社 |
| 書類作成機能 | 定款、登記申請書、発起人決定書、就任承諾書、印鑑届出書など |
| 設立後手続き書類 | 法人設立届出書、青色申告承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書など |
| 定款作成形式 | 電子定款(専門家連携)、紙定款 |
質問形式のガイドに従って会社名や資本金、役員構成などを入力するだけで、各提出先に応じたフォーマットの書類が自動生成されるため、書類ごとの転記ミスや記述漏れを防ぐ仕組みが整っています。
1.1 完全無料で使える理由と仕組み
マネーフォワード会社設立は、アカウント登録から書類の作成・出力まで、システム利用料が一切かかりません。
初期費用や月額料金を支払うことなく、すべての入力支援機能を利用できます。
無料で提供されている理由は、会社設立後の事業者がマネーフォワードの各種有料クラウドサービス(会計・請求書・給与計算など)を契約・継続利用することを見据えたビジネスモデルを採用しているためです。
設立時のシステム利用を無償提供して利用者の参入障壁を下げ、設立後のバックオフィス業務における顧客獲得につなげる設計になっています。
なお、システムの利用自体は無料ですが、会社設立に伴って法務局や公証役場へ支払う法定費用(登録免許税や定款認証手数料などの実費)は別途発生します。
1.2 マネーフォワード クラウドとの連携機能
会社設立時に入力した基本情報は、同社が提供するバックオフィス向けプラットフォーム「マネーフォワード クラウド」とシームレスに連携できます。
設立手続き完了後、入力データをそのまま引き継いで各種業務の初期設定を進められます。
| 連携対象サービス | 引き継がれる情報と主な連携メリット |
|---|---|
| マネーフォワード クラウド会計 | 会社名、決算期、事業年度情報が反映され、開業時の仕訳入力や法人口座連携を素早く開始可能 |
| マネーフォワード クラウド請求書 | 自社情報や取引先マスタが同期され、設立直後からの見積書・請求書発行を円滑化 |
| マネーフォワード クラウド給与 | 役員情報や事業所情報が連携され、役員報酬や従業員給与の計算基盤を構築可能 |
会社設立から事業開始後の会計・給与計算・請求管理まで同一のアカウント基盤で一元化できるため、別々のシステムに同じ企業情報を重複して登録する手間を省くことができます。
2. マネーフォワード会社設立のデメリットと使って分かった注意点

マネーフォワード会社設立は、フォームに沿って情報を入力するだけで登記書類や設立後の届出書類を作成できる便利なツールです。
しかし、手続きをすべて自動で代行してくれるわけではなく、利用形態や希望する会社構成によっては追加費用や自力での作業が発生する点に注意しなければなりません。
事前に把握しておくべき5つのデメリットを解説します。
2.1 電子定款の作成には有料の連携サービスが必要
紙の定款を作成する場合に発生する4万円の収入印紙代を節約するには、電子定款を選択する必要があります。
マネーフォワード会社設立では提携行政書士による電子定款の作成代行に対応していますが、マネーフォワード クラウドの有料プランを契約しない場合は5,000円(税込)の手数料が発生します。
サービスの登録や書類作成システム自体の利用は無料であるものの、完全無料で電子定款を作成できるわけではありません。
定款の作成方法による費用の違いは以下のとおりです。
| 作成方法 | 定款印紙代 | 定款作成手数料 | 合計実費(定款関連) |
|---|---|---|---|
| 紙定款(自作) | 40,000円 | 0円 | 40,000円 |
| 電子定款(単体利用) | 0円 | 5,000円(税込) | 5,000円 |
| 電子定款(クラウド有料プラン契約) | 0円 | 0円(事業者負担) | 0円 |
費用の詳細はマネーフォワード クラウド会社設立 公式サイトでも案内されているとおり、設立後のバックオフィス業務で有料プランを契約する予定がない場合は、手数料として5,000円の支払いが必要になります。
2.2 法務局や年金事務所への提出は自分で行う必要がある
マネーフォワード会社設立が提供する機能は、申請に必要な書類の自動作成と手順の案内です。
法務局への登記申請や年金事務所・税務署への届出書類の提出作業そのものを代行してくれるサービスではありません。
作成された書類一式を印刷・押印したうえで、管轄の法務局窓口へ持参するか郵送、あるいはマイナンバーカード等を用いたオンライン申請を自分自身で進める必要があります。
同様に、設立後に発生する社会保険や税務関連の手続きも、指示に従って指定の窓口へ期日内に提出する管理が求められます。
2.3 マネーフォワード クラウド会計の利用が前提になりやすい
電子定款の手数料(5,000円)が無料になる特典は、「マネーフォワード クラウド」の法人有料プランの契約と紐づいています。
そのため、他社の会計ソフトや確定申告システムを利用する予定がある事業者にとっては、コスト面の恩恵が薄くなります。
管理画面内でも設立後の会計・給与・請求書サービスとの連携が標準的に組み込まれているため、最初から別系統の会計ソフトを利用すると決めている場合はアップセル誘導が多く感じられる設計になっています。
2.4 サポート対応はメール中心で電話相談ができない
入力内容や手続きの進め方に関して不明点が生じた場合、マネーフォワード クラウド会社設立の問い合わせ対応はフォームからのメール(またはチャット)対応が基本となります。
電話でリアルタイムに質問しながら進める窓口は用意されていないため、急ぎの確認が必要な局面では返答を待つタイムラグが生じます。
また、サポートスタッフが回答できる内容はシステムの操作方法や一般的な手続きの流れに限られます。
「特定の事業目的が自社の許認可要件を満たしているか」といった法的判断を伴う個別相談は対象外となるため、複雑な確認が必要な場合は別途、司法書士や行政書士などの専門家に確認をとる必要があります。
2.5 合同会社の設立書類作成には一部制限がある
マネーフォワード会社設立は株式会社だけでなく合同会社の設立書類作成にも対応していますが、定型フォーマットに沿った設計となっています。
そのため、合同会社特有の自由度が高い定款自治や変則的な組織設計には一部対応していません。
具体的には、以下のようなケースではシステム上で対応しきれない、または制限を受ける場合があります。
- 出資比率と損益分配の割合を異なる比率で設定する
- 代表社員に法人(他社)を指定し、職務執行者を配置する
- 特殊な現物出資や複数名による複雑な業務執行権限の割り振りを設定する
シンプルな1人合同会社や標準的な出資形態であれば問題なく完結できますが、特殊な定款条項を盛り込みたい場合は、定款ファイルをダウンロードした後に手動で修正するか、専門家へ個別依頼を行う必要があります。
3. マネーフォワード会社設立の悪い評判と良い口コミ

マネーフォワード クラウド会社設立を実際に利用した起業家のリアルな声から、サービスのメリットだけでなく実務上の課題も見えてきます。
利用者が直面した具体的な不満点と評価しているポイントを整理しました。
| 評判の区分 | 主な口コミ・利用者の声 | 影響と対策 |
|---|---|---|
| ネガティブ | 電子定款の手数料や追加コストの発生、窓口提出の手間、電話サポートがない点への不満 | 事前に必要経費を把握し、提出手順をスケジューリングしておくことでトラブルを防げます。 |
| ポジティブ | フォーム入力だけで書類が完成する手軽さ、設立手続きの圧倒的なスピード、費用削減効果 | 専門家への代行依頼費用を抑えつつ、短期間で事業開始の準備を整えられます。 |
3.1 手続きや費用に関するネガティブな口コミ
費用面や実務手続きにおいて、「完全無料」という表記から期待した内容と実際の作業負担にギャップを感じたという声が挙がっています。
特に多いのは、電子定款作成に伴う費用に関する意見です。
マネーフォワード会社設立の利用料自体は無料であるものの、電子定款の作成を行政書士に依頼する手数料として実費(マネーフォワード クラウドの有料プラン未契約の場合など条件により異なる)が発生するため、「すべてのお金がかからないわけではなかった」という不満につながっています。
また、書類作成後の役所手続きについての口コミも見られます。「法務局や年金事務所への提出は印刷して自分で郵送または持参しなければならず、完全オンラインで完結しなかった」という意見や、「手続きで疑問が生じた際、問い合わせ窓口がメール対応のみで即座に疑問を解消できなかった」という対応スピードへの不安を指摘する声もあります。
3.2 操作性やスピード感に関するポジティブな口コミ
一方で、操作の分かりやすさや書類作成スピードについては、専門知識がない初心者でも迷わず短時間で設立書類を完成できたという高い評価が多数を占めています。
画面の案内に沿って会社名、所在地、資本金などの必要項目をフォームに入力していくだけで、定款をはじめとする登記申請書類一式が自動生成されます。
「司法書士や行政書士に依頼すると10万円前後かかる報酬を大幅に節約できた」「自力で法務局のフォーマットを調べて作成する労力が省け、数時間で書類の準備が整った」といったコストパフォーマンスと効率性を称賛する意見が目立ちます。
さらに、法人の銀行口座開設やクレジットカード作成の申し込み導線が用意されている点や、設立後のクラウド会計・給与計算へのデータ移行がスムーズに行える点も、設立直後のバックオフィス業務を効率化できた理由として評価されています。
4. freee会社設立との違いを比較して分かるデメリット

クラウド型で会社設立書類を作成できる代表的なサービスとして「マネーフォワード 会社設立」と「freee会社設立」が挙げられます。
両者は共通する機能も多い一方で、登記申請の手続き方法やサポート体制を細かく比較すると、マネーフォワード側が一部の利便性で劣るポイントが存在します。
4.1 費用や対応書類の違い
サービスの利用料自体はどちらも無料ですが、電子定款の作成費用や法務局への登記申請方法に違いがあります。
| 項目 | マネーフォワード 会社設立 | freee会社設立 |
|---|---|---|
| サービス利用料 | 無料 | 無料 |
| 電子定款作成費用(行政書士代行) | 5,500円(税込)※特定条件で実質無料 | 5,000円(税込)※特定条件で実質無料 |
| 登記申請の手法 | 書類を印刷して郵送または法務局窓口へ持参 | 印刷提出に加え、マイナンバーカードを用いた完全オンライン申請に対応 |
| 決算公告の選択肢 | 官報公告など(自社で手配) | 官報公告に加え、独自の電子公告プランを用意 |
最大の違いは、登記申請を完全オンラインで完結できるかどうかという点です。
freee会社設立はマイナンバーカードとスマートフォンアプリを活用したオンライン登記申請に対応しており、自宅にいながら法務局へ足を運ばずに設立登記を完了させることが可能です。
一方、マネーフォワード 会社設立はオンライン申請システムと直接連動していないため、出力した申請書類を紙で印刷し、法務局へ持参または郵送する必要があります。
印刷の手間や法務局への移動、郵送コストが発生する点はデメリットといえます。
4.2 使いやすさとサポート体制の比較
入力画面の分かりやすさや、不明点が生じた際のサポート窓口の対応力にも違いがあります。
マネーフォワード 会社設立は画面の指示に従って入力するシンプルなウィザード形式を採用していますが、問い合わせ対応は基本的にメールが中心です。
定款の文言や必要書類の記入欄で疑問が生じた場合、返信を受け取るまでに時間がかかり、手続きが一時的に滞る可能性があります。
対してfreee会社設立は、リアルタイムでやり取りができるチャットサポート機能が充実しており、操作に迷った際も即座に解決しやすい環境が整っています。
スマホ操作のみで手続きを進めたい方や、不明点をすぐに解消しながらスムーズに設立を完了させたい方にとっては、マネーフォワードのサポート対応や申請手順に物足りなさを感じる場合があります。
5. マネーフォワード会社設立が向いている人・向いていない人

マネーフォワード会社設立の機能面やサポート体制、コスト面を踏まえ、利用に適している人と別の選択肢を検討すべき人の基準を整理しました。
| 比較項目 | おすすめできない人 | おすすめな人 |
|---|---|---|
| 会計ソフトの利用予定 | freeeや弥生会計など他社ソフトをメインで使いたい | マネーフォワード クラウド会計を導入・併用したい |
| サポート形式 | 電話相談や専門家による対面フルサポートを重視する | 画面の手順に従いテキスト案内やメールで自力進行できる |
| 書類提出の手間 | 法務局や年金事務所への窓口・郵送提出を一切省きたい | 印刷や窓口・郵送による提出作業を自分で行える |
| 会社の構造 | 種類株式の発行など特殊・複雑な定款設計を組む予定 | 標準的な株式会社・合同会社をスムーズに低コストで立ち上げたい |
5.1 マネーフォワード会社設立をおすすめできない人の特徴
設立後の経理にfreeeや弥生会計などの他社ソフトを利用する予定がある人には不向きです。
マネーフォワード会社設立は、設立後のマネーフォワード クラウドシリーズへのデータ連携を前提に設計されているため、他社製ソフトへ移行するとデータ移行や管理の手間が増加します。
電話によるリアルタイム相談や専門家への丸投げを希望する人も注意が必要です。
サポート対応は基本的にメール形式となるため、疑問点が生じた際にその場ですぐ口頭で確認したい人や、書類作成から提出までをすべて専門家に一任したい場合は、司法書士や税理士への直接依頼が適しています。
官公庁への移動や郵送作業を完全になくしてオンラインのみで完結させたい人も満足できない可能性があります。
作成した書類の法務局や年金事務所への提出は自身で対応する必要があるため、印刷や郵送、窓口への持参といった実務作業を完全に省くことはできません。
5.2 マネーフォワード会社設立がおすすめな人の特徴
会社設立後にマネーフォワード クラウド会計や給与などのバックオフィスツールを導入する人には最適なサービスです。
設立時に入力した法人情報や役員情報がそのままクラウド会計へシームレスに引き継がれるため、初期設定の二度手間を省いてスムーズに事業を開始できます。
専門家への依頼費用を削減し初期費用を最小限に抑えたい人にも適しています。
書類作成システム自体は完全無料で提供されており、電子定款を活用して紙の定款で発生する印紙代4万円を節約できるため、設立にかかる実費以外のコストを大幅に圧縮できます。
ガイドに沿って自力で書類作成を進められる人であれば、迷うことなく短時間で登記準備を完了できます。
入力フォームがステップごとに細かく分かれており、指示通りに必要項目を埋めるだけで法的に有効な書類一式が完成するため、専門知識がない創業者でも手軽に手続きを進められます。
この記事では、会社設立の全体像を、準備段階から設立後の手続きまで、初めて起業する方にも理解できるように、会社設立の必要書…
6. まとめ
マネーフォワード会社設立は、書類作成を無料で進められる一方、電子定款作成に伴う費用や行政機関への書類提出作業、電話サポートがない点などのデメリットがあります。
そのため、設立後にマネーフォワード クラウド会計を導入する予定がある方や、費用を抑えて自身で手続きを行える方に適しています。
手厚いサポートを受けたい場合や他の会計ソフトの利用を前提とする場合は、freee会社設立などの他社サービスと比較した上で選択してください。

