会社の設立にあたり、将来の事業追加の手間や費用を省くため、定款の事業目的をたくさん記載しておきたいとお考えではないでしょうか。
結論として、事業目的を幅広く記載することは将来の事業展開に備える上で有効ですが、対外的な信用に影響が出るといったデメリットも存在します。
この記事では、司法書士が事業目的をたくさん書くメリット・デメリット、守るべき基本ルール、そして失敗しない書き方のコツを徹底解説。
IT業から建設業まで、そのまま使える業種別の豊富な記載例も紹介するため、自社に最適な事業目的の作り方がわかります。
定款の事業目的をたくさん記載する前に知っておきたいこと
会社の設立準備を進める中で、多くの起業家が頭を悩ませるのが「定款の事業目的」です。
特に、「将来どんな事業を手がけるか分からないから、今のうちにできるだけたくさん書いておきたい」と考える方は少なくありません。
しかし、やみくもに事業目的を増やすと思わぬ落とし穴にはまる可能性もあります。
この章では、まず事業目的をたくさん記載したいと考える背景を整理し、その上で、もし後から事業目的を追加することになった場合に、どれほどの手間と費用がかかるのかを具体的に解説します。
この前提知識を持つことで、あなたの会社にとって最適な事業目的の数を判断する手助けとなるでしょう。
事業目的をたくさん記載したいと考える理由
会社設立時に事業目的を多めに記載しておきたいと考えるのは、非常に合理的で、多くの起業家が抱く自然な発想です。
その背景には、主に以下のような理由が挙げられます。
第一に、将来の事業拡大や多角化に柔軟に対応したいという考えです。
設立当初は特定の事業に集中していても、ビジネスが軌道に乗れば、関連事業や新規事業への展開を検討する場面が必ず訪れます。
その際に、あらかじめ定款に事業目的が記載されていれば、スピーディーに事業を開始できます。
第二に、後から事業目的を追加する際の手間と費用を避けたいという現実的な理由です。
後述するように、事業目的の追加には法的な手続きとコストが発生します。
設立時にまとめて記載しておけば、将来発生するであろうこれらの負担を未然に防ぐことができるため、賢明な選択だと考えられています。
最後に、予期せぬビジネスチャンスを逃したくないという思いもあります。
取引先から新たな事業の提案を受けたり、市場の急な変化に対応したりする際に、定款に目的の記載がないことが足かせになることを避けたいのです。
これらの理由から、将来の可能性を狭めないために、幅広く事業目的を記載しておきたいというニーズが生まれるのです。
事業目的を後から追加する場合の手間と費用
では、実際に会社設立後に事業目的を追加する場合、どのような手続きが必要で、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。
この点を具体的に理解しておくことが、設立時にどれだけ事業目的を記載すべきかを判断する上で非常に重要になります。
事業目的の変更は、法務局で「変更登記」という手続きを行う必要があり、それには時間と費用の両方がかかります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 必要な手続き | 事業目的の変更は、会社の重要事項を決定する「株主総会」での「特別決議」が必要です。 特別決議は、議決権の過半数を持つ株主が出席し、その議決権の3分の2以上の賛成が必要となる、可決要件が厳しい決議です。 決議後は、その内容を証明する「株主総会議事録」を作成し、法務局へ変更登記申請を行います。 |
| 発生する費用 | 法務局へ変更登記を申請する際に、登録免許税として30,000円が必ずかかります。 さらに、これらの手続きを司法書士などの専門家に依頼する場合は、別途数万円程度の報酬が発生します。 つまり、自分で手続きをしても3万円、専門家に依頼すればそれ以上の費用がかかることになります。 |
このように、事業目的の追加は、一度きりとはいえ決して軽くない負担です。
たった一つの事業目的を追加するためだけに、株主を集めて決議し、書類を作成し、数万円のコストを支払う必要があります。
こうした手間と費用を考慮すると、会社設立の段階で、将来行う可能性のある事業をある程度見越して定款に記載しておくことのメリットが大きいことがお分かりいただけるでしょう。
定款の事業目的をたくさん書くメリットとデメリット

会社設立時に、将来の事業展開を見据えて事業目的をたくさん記載しておきたいと考える経営者は少なくありません。
実際に、事業目的を多く記載することにはメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。
ここでは、事業目的をたくさん書くことのメリットとデメリットを具体的に解説します。
両者を正しく理解し、ご自身の会社にとって最適な判断を下しましょう。
メリット 将来の事業展開に柔軟に対応できる
会社設立後に事業目的を追加・変更する場合、株主総会での特別決議を経た上で、法務局で変更登記手続きを行う必要があります。
この手続きには、登録免許税として3万円の費用がかかります。
あらかじめ将来行う可能性のある事業を定款に盛り込んでおくことで、こうした定款変更の手間とコストをかけずに、新規事業へスムーズに移行できる点が最大のメリットです。
事業の多角化やピボット(事業転換)を迅速に行えるため、経営の自由度が高まります。
メリット ビジネスチャンスを逃さない
ビジネスは予測不能な機会に満ちています。既存の取引先から「こんな事業もお願いできないか?」と新たな依頼を受けたり、市場の変化によって新しいサービスへの需要が急に高まったりすることがあります。
このような時、定款に関連する事業目的が記載されていれば、すぐにそのビジネスチャンスを掴み、事業として開始することができます。
定款に記載がないために機会を逃す「機会損失」を防げることは、特に変化の速い業界においては大きな強みとなります。
デメリット 対外的な信用に影響が出る可能性
事業目的の数があまりに多く、かつ相互の関連性が低い場合、第三者から見て「この会社の本業は何なのか」「事業の軸が定まっていない」という印象を与えてしまうリスクがあります。
例えば、ITコンサルティングが主軸の会社なのに、定款に「飲食店の経営」「ネイルサロンの運営」「建設業」といった脈絡のない事業が多数列挙されていると、取引先や金融機関が与信調査を行う際に、事業実態が掴みにくく、専門性を疑われる念があります。
結果として、会社の信用力にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。
デメリット 融資の際に説明を求められることがある
日本政策金融公庫や民間の銀行から創業融資や追加融資を受ける際、金融機関は提出された事業計画書と定款の内容を照らし合わせて審査します。
事業計画と直接関係のない事業目的が多数記載されていると、審査担当者から「事業の選択と集中ができていないのではないか」「融資した資金が計画外の事業に使われるリスクはないか」といった懸念を持たれることがあります。
なぜこれほど多くの事業目的を記載しているのか、その必要性について詳細な説明を求められるケースも少なくありません。
明確な説明ができない場合、融資審査において不利に働く可能性も考慮しておく必要があります。
| 分類 | 具体的な内容 |
|---|---|
| メリット | 将来の事業展開に際し、定款変更の手間と費用(登録免許税3万円)を削減できる。 |
| メリット | 予期せぬビジネスチャンスが訪れた際に、機会損失なく迅速に対応できる。 |
| デメリット | 事業内容に一貫性がないと見なされ、取引先などからの対外的な信用が低下する恐れがある。 |
| デメリット | 金融機関の融資審査において、事業計画との整合性について厳しい説明を求められることがある。 |
定款の事業目的を記載する際の基本ルール

定款の事業目的は、会社の顔ともいえる重要な項目です。自由に設定できるように思えますが、実は会社法をはじめとする法律に基づいた明確なルールが存在します。
これらのルールを無視して事業目的を作成してしまうと、公証役場での定款認証や法務局での会社設立登記が受理されず、手続きが滞ってしまう原因になります。
ここでは、事業目的を記載する上で必ず守るべき4つの基本ルールを、司法書士の視点から詳しく解説します。
ルール1 適法性 法律に違反していないか
事業目的の第一のルールは「適法性」です。当然のことながら、法律に違反する事業や、公序良俗(社会の一般的な道徳観や秩序)に反する内容を事業目的として定めることはできません。
例えば、以下のような事業目的は認められません。
- 詐欺、ねずみ講などの犯罪行為を目的とする事業
- 賭博場の開帳など、法律で禁止されている事業
- 弁護士資格がないにもかかわらず「法律相談業務」を行うなど、士業の独占業務を無資格で行う事業
法律や公序良俗に反する事業目的は、定款認証や登記申請の段階で必ず却下されます。
会社設立をスムーズに進めるためにも、計画している事業が各種法令に抵触しないか、事前に確認することが不可欠です。
ルール2 営利性 利益を追求する事業か
株式会社は、事業活動によって利益を生み出し、その利益を株主に分配(配当)することを目的とする法人形態です。
そのため、定款に記載する事業目的にも「営利性」が求められます。
利益を追求しないボランティア活動や寄付活動そのものを、会社の主たる事業目的として定めることはできません。
「地域社会への貢献」といった記載も、それ単体では営利性が不明確であるため、登記官から修正を求められる可能性があります。
ただし、企業の社会的責任(CSR)の一環として利益の一部を寄付する、といった行為は問題ありません。
あくまでも、株式会社の根幹である営利を追求しない事業は、事業目的として認められないという点を理解しておくことが重要です。
ルール3 明確性 第三者が見て理解できるか
事業目的は、会社の所有者である株主や経営陣だけでなく、金融機関、取引先、顧客、そして登記手続きを行う公証人や登記官といった「第三者」が読んでも、その事業内容を客観的に理解できるものでなければなりません。
これを「明確性の原則」と呼びます。
一般的でない専門用語や、社内でのみ通用するような造語、曖昧な表現は避けるべきです。
例えば、「未来創造事業」「総合サービス業」といった表現では、具体的に何を行う会社なのか全く伝わりません。
第三者、特に公証人や登記官が理解できない曖昧な表現は、登記手続きの遅延につながる可能性があります。
誰が読んでも誤解の余地がない、平易かつ明確な言葉で記載することを心がけましょう。
ルール4 具体性 事業内容が具体的にわかるか
明確性と関連しますが、「具体性」も非常に重要なルールです。
事業目的は、その会社が「何をして利益を上げるのか」が具体的にイメージできるレベルで記載する必要があります。
例えば、単に「販売業」とするのではなく、「何を」販売するのかを記載します。
同様に、「コンサルティング業」ではなく、「どのような」コンサルティングを行うのかを具体的に示す必要があります。
具体性が欠けていると、許認可の申請や金融機関からの融資審査の際に、事業内容を別途詳しく説明する必要が生じたり、審査で不利に働いたりする可能性があります。
以下の表を参考に、抽象的な表現を具体的な記載に修正しましょう。
| 抽象的な表現(悪い例) | 具体的な表現(良い例) |
|---|---|
| コンサルティング業 | 企業の経営戦略、財務、マーケティングに関するコンサルティング業務 |
| IT事業 | コンピュータソフトウェアの企画、開発、販売及び保守 |
| 物品販売業 | 衣料品、服飾雑貨、アクセサリーの輸入、販売及び輸出 |
| 広告業 | インターネット広告の企画、制作及び広告代理店業務 |
事業の具体性が欠けていると、許認可の取得や融資審査で不利になることがあります。
将来の事業展開を見据えつつも、一つひとつの事業内容が具体的にわかるように記載することが、信頼性の高い会社作りの第一歩となります。
失敗しない事業目的の書き方のコツ

定款の事業目的をたくさん記載する際には、ただ闇雲に数を増やせば良いというわけではありません。
将来の事業展開を見据えつつ、対外的な信用を損なわないための戦略的な視点が求められます。
ここでは、司法書士が実践している、失敗しない事業目的の書き方の3つのコツを具体的に解説します。
将来行う可能性のある事業は幅広く記載する
会社設立時に、将来少しでも手がける可能性のある事業は、できる限り事業目的に含めておくことをお勧めします。
なぜなら、後から事業目的を追加するには、株主総会での決議や法務局での変更登記手続きが必要となり、登録免許税として3万円の費用と専門家への依頼費用、そして多くの手間がかかるからです。
例えば、Webサイト制作を主軸に事業を始める場合でも、以下のように関連性の高い事業を幅広く記載しておくと良いでしょう。
- Webサイトの企画、制作、デザイン、運営及び保守
- インターネットを利用した広告業及び広告代理店業
- SEO(検索エンジン最適化)に関するコンサルティング
- 各種システムの企画、開発、販売及び保守
- マーケティングリサーチ及び経営情報の調査、収集及び提供
このように、現在の事業から派生しうる未来の事業を予測し、あらかじめ網羅しておくことで、事業拡大の際にスムーズなスタートを切ることができます。
ただし、本業と全く関連性のない事業を羅列しすぎると、会社の専門性がぼやけてしまい、金融機関からの融資審査や取引先からの信用評価に影響が出る可能性もあるため、バランス感覚が重要です。
許認可が必要な事業は文言を正確に記載する
特定の事業を行うために国や都道府県から許認可を得る必要がある場合、定款の事業目的に、行政庁が指定する特定の文言が正確に含まれていることが申請の絶対条件となります。
この文言が一つでも欠けていると、許認可の申請が受理されず、事業を開始できません。
許認可を取得する可能性がある事業については、必ず事前に管轄の行政庁のウェブサイトや手引きで正しい文言を確認しましょう。
以下に、許認可が必要な代表的な事業と、その記載文言例をまとめました。
| 許認可が必要な事業(例) | 事業目的の記載文言例 | ポイント・注意点 |
|---|---|---|
| 建設業 | 建設工事の設計、施工、管理、請負 | 29種類の業種ごとに許可が必要です。将来取得する可能性のある業種を想定して記載します。 |
| 不動産業(宅建業) | 宅地建物取引業 不動産の売買、賃貸、仲介及び管理 | 「宅地建物取引業」という文言は必須です。これがないと免許申請ができません。 |
| 古物商 | 古物営業法に基づく古物商 | リサイクルショップや中古品売買を行う場合に必要です。「古物営業法に基づく」という文言を入れるとより確実です。 |
| 人材派遣業 | 労働者派遣事業 | 「労働者派遣事業」という文言が必須です。有料職業紹介事業を行う場合は「有料職業紹介事業」も必要です。 |
| 飲食業 | 飲食店業 喫茶店の経営 | 保健所の営業許可申請の際に、事業目的の記載が確認されます。 |
これらの文言は一字一句正確である必要があります。
少しでも不安な場合は、会社設立を依頼する司法書士や、許認可申請を専門とする行政書士に相談することをお勧めします。
「前各号に附帯関連する一切の事業」の一文を活用する
事業目的の最後に「前各号に附帯関連する一切の事業」という一文を加えておくことは、定款作成における定石テクニックです。
これは「マジックワード」とも呼ばれ、非常に便利な一文です。
この一文があることで、個別に記載した事業目的を遂行する上で付随的に発生する事業(例えば、Web制作会社が顧客向けに操作説明のセミナーを開催する、コンサルティング会社が関連書籍を出版するなど)が、定款の事業目的の範囲内であると解釈されやすくなります。
ただし、この一文は万能ではありません。
注意すべきは、あくまで「附帯・関連」する事業にのみ効力が及ぶという点です。
これまで行ってきた事業と全く関連性のない、全く新しい分野の事業(例えば、IT企業が突然、飲食店の経営を始めるなど)を開始する場合には、この一文だけではカバーできません。
その際は、臨時株主総会を開いて定款を変更し、事業目的の追加登記を行う必要があります。
この「附帯関連事業」の一文は、事業の柔軟性を確保するための保険のようなものと捉え、これに頼りすぎることなく、将来行う可能性のある事業はできるだけ具体的に記載しておくことが、失敗しないための最も重要なコツと言えるでしょう。
業種別 定款の事業目的の記載例をたくさん紹介

会社の事業目的は、将来の事業展開を見据えて幅広く記載しておくことが重要です。
ここでは、主要な業種別に、定款に記載する事業目的の具体例を数多く紹介します。
ご自身の事業内容に近いものを参考に、アレンジしてご活用ください。
特に許認可が必要な事業については、行政庁の指定する文言を正確に記載する必要があるため、事前に必ず確認しましょう。
IT・Webサービス業の事業目的 記載例
IT・Webサービス業は技術の進歩が速く、事業内容が多岐にわたるため、将来展開する可能性のある事業を網羅的に記載しておくことがおすすめです。
| 事業カテゴリ | 事業目的の記載例 |
|---|---|
| ソフトウェア・システム開発 | コンピュータソフトウェア、アプリケーションソフトウェアの企画、設計、開発、販売、保守及びコンサルティング |
| Webサイト・コンテンツ制作 | ウェブサイト、ウェブコンテンツ、デジタルコンテンツの企画、制作、デザイン、運営及び管理 |
| SES(システムエンジニアリングサービス) | コンピュータシステムに関する技術者の派遣及び業務請負 |
| Webメディア・広告 | インターネットを利用した各種情報提供サービス、情報収集サービス及び情報処理サービス |
| インターネット広告の企画、制作、販売及び代理店業 | |
| ECサイト運営 | 電子商取引(ECサイト)の企画、構築、運営及びそれらに関するコンサルティング |
| ITコンサルティング | 情報通信システム及びDX(デジタルトランスフォーメーション)に関するコンサルティング業務 |
| その他 | サーバーの構築、運用、管理及び保守業務 |
| 各種イベント、セミナーの企画、制作、運営及び管理 | |
| 汎用的な一文 | 前各号に附帯関連する一切の事業 |
コンサルティング業の事業目的 記載例
コンサルティング業は対象とする領域が広いため、「何の専門家か」が明確にわかるように記載することが対外的な信用につながります。
複数の領域を記載することで、事業の幅広さを示すことも可能です。
| 事業カテゴリ | 事業目的の記載例 |
|---|---|
| 経営全般 | 経営コンサルティング業務 |
| 企業の経営合理化及び戦略に関するコンサルティング業務 | |
| 財務・会計 | 財務及び資金調達に関するコンサルティング業務 |
| マーケティング | 市場調査、販売促進、広告宣伝に関するコンサルティング業務 |
| 人事・組織 | 人事制度、労務管理、組織開発に関するコンサルティング業務 |
| 人材の育成、能力開発、教育研修に関するコンサルティング業務 | |
| 事業承継 | M&A(企業の合併・買収)の仲介及び斡旋並びにそれに関するコンサルティング業務 |
| その他 | 各種講演会、セミナー、研修の企画、開催及び運営 |
| 各種情報の収集、分析、管理及び情報提供サービス | |
| 汎用的な一文 | 前各号に附帯関連する一切の事業 |
飲食業の事業目的 記載例
飲食業を始めるには、保健所の「飲食店営業許可」が必要です。
将来的にテイクアウトやデリバリー、ECサイトでの食品販売などを考えている場合は、それらも事業目的に含めておくとスムーズです。
| 事業カテゴリ | 事業目的の記載例 |
|---|---|
| 店舗運営 | 飲食店の経営、企画及び運営 |
| 喫茶店、バー、レストランの経営 | |
| 中食・デリバリー | 弁当、惣菜等の調理、加工及び販売 |
| 食料品の出前、宅配事業 | |
| 食品製造・販売 | 食料品、飲料、酒類の企画、製造、加工及び販売 |
| 菓子、パンの製造及び販売 | |
| ケータリング | ケータリングサービス及びパーティー、イベント等への調理師の派遣 |
| コンサルティング | 飲食店に関するコンサルティング業務 |
| その他 | 厨房設備のレンタル及びリース |
| 汎用的な一文 | 前各号に附帯関連する一切の事業 |
建設業の事業目的 記載例
建設業許可を取得する場合、事業目的に許可を受けたい業種名が明記されている必要があります。
将来取得する可能性のある業種も漏れなく記載しておきましょう。
29種類ある建設工事の中から、関連性の高いものを複数記載するのが一般的です。
| 事業カテゴリ | 事業目的の記載例 |
|---|---|
| 土木一式工事 | 土木工事業 |
| 建築一式工事 | 建築工事業 |
| 専門工事 | 大工工事業、左官工事業、とび・土工工事業 |
| 電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業 | |
| 塗装工事業、防水工事業、内装仕上工事業 | |
| 解体工事業 | |
| 設計・管理 | 建築物及び工作物の設計、監理及びコンサルティング |
| 土木及び建築工事の企画、調査、測量、施工管理 | |
| リフォーム | 建築物の増改築、リフォーム及びメンテナンス |
| 汎用的な一文 | 前各号に附帯関連する一切の事業 |
不動産業の事業目的 記載例
不動産業を営むには「宅地建物取引業免許」が必要です。免許申請の際には、事業目的に関連する文言が記載されていることが求められます。
売買、賃貸、管理など、行う可能性のある業務はすべて記載しておきましょう。
| 事業カテゴリ | 事業目的の記載例 |
|---|---|
| 売買・交換・賃貸 | 不動産の売買、交換、賃貸借及びその仲介並びに代理 |
| 管理 | 不動産の管理及び運営 |
| ビル、マンション、アパート及び駐車場の管理、清掃及び保守 | |
| コンサルティング | 不動産の有効活用に関する企画、調査及びコンサルティング |
| 不動産に関する投資、運用、資産評価に関するコンサルティング | |
| 開発・分譲 | 宅地造成、都市開発及び不動産分譲事業 |
| サブリース | 不動産の転貸事業(サブリース) |
| 損害保険代理 | 損害保険代理業 |
| その他 | 内装工事及びリフォームの企画、設計、施工 |
| 汎用的な一文 | 前各号に附帯関連する一切の事業 |
人材サービス業の事業目的 記載例
人材サービス業は「有料職業紹介事業」や「労働者派遣事業」など、許認可が必要な事業が多くあります。
許認可申請では事業目的の文言が厳格に審査されるため、厚生労働省の示す手引きなどを参考に、一字一句正確に記載することが極めて重要です。
| 事業カテゴリ | 事業目的の記載例 |
|---|---|
| 人材紹介(許認可要) | 有料職業紹介事業 |
| 人材派遣(許認可要) | 労働者派遣事業 |
| 特定労働者派遣事業 | |
| 求人・採用支援 | 求人及び採用活動に関するコンサルティング業務 |
| インターネットを利用した求人情報サービスの提供 | |
| アウトソーシング | 事務処理、営業、販売促進等の業務請負 |
| 教育・研修 | 社員教育、人材育成のための研修、セミナーの企画及び運営 |
| 労務コンサルティング | 人事労務管理に関するコンサルティング業務 |
| その他 | キャリアカウンセリング業務 |
| 汎用的な一文 | 前各号に附帯関連する一切の事業 |
まとめ
定款の事業目的をたくさん記載することは、将来の事業展開への備えとなり、後から追加する手間と費用を削減できるメリットがあります。
しかし、関連性のない事業を羅列すると、会社の専門性が不明確になり、融資や取引で不利になる可能性も。
失敗しないためには、「適法性」「明確性」といったルールを守り、将来行う可能性のある事業を具体的に記載することが重要です。
「前各号に附帯関連する一切の事業」の一文も活用し、戦略的な事業目的を作成しましょう。
