【税理士監修】会社設立時の決算月の決め方|知らないと損する3つのポイントと注意点

会社の設立準備で、決算月を何月にすれば良いかお悩みではないでしょうか。

実は、決算月をいつにするかによって、消費税の免税期間が変わり納税額に大きな差が生まれるなど、知らずに損をしてしまうケースは少なくありません。

結論から言うと、節税メリットを最大限享受するには「会社設立日からできるだけ遠い月」を決算月にするのが最も効果的です。

この記事では、税理士監修のもと、消費税の免税期間の最大化、繁忙期の回避、資金繰りの3つのポイントを軸に、最適な決算月の決め方を徹底解説します。

月別の比較やよくある質問も網羅しており、読了後には自社に最も有利な月を判断できるようになります。

会社設立時の決算月を決める上で知らないと損する3つのポイント

会社の決算月は、設立時に自由に決めることができます。しかし、安易に決めてしまうと、税金の支払いや業務負担で大きく損をしてしまう可能性があります。

ここでは、会社設立時に必ず押さえておきたい、決算月を決める上で最も重要な3つのポイントを専門家の視点から詳しく解説します。

ポイント1 消費税の免税期間を最大限活用する

会社設立における決算月決定で、最も大きな節税効果が期待できるのが「消費税の免税期間」の活用です。

このメリットを最大限に享受できるかどうかは、第1期の事業年度の長さにかかっています。

資本金1,000万円未満で設立された法人は、原則として設立から2期間、消費税の納税が免除されます。

具体的には、第1期と第2期の事業年度が免税対象となります。

ここで重要なのは、第1期の事業年度をできるだけ長く設定することです。
そうすることで、消費税が免除される期間の合計を最大化できるのです。

例えば、4月1日に会社を設立する場合を考えてみましょう。

ケース決算月第1期の事業年度消費税の免税期間の合計
良い例3月末設立日(4月1日)から翌年3月31日までの12ヶ月間約24ヶ月(第1期:12ヶ月 + 第2期:12ヶ月)
悪い例4月末設立日(4月1日)から同年4月30日までの1ヶ月間約13ヶ月(第1期:1ヶ月 + 第2期:12ヶ月)

上記の表から分かるように、決算月を設立日の直後に設定してしまうと、第1期が極端に短くなり、その分だけ免税期間全体も短くなってしまいます。

消費税の免税メリットを最大限に活かすためには、会社の設立日から最も遠い月を決算月に設定するのがセオリーです。

ただし、設立2期目であっても、特定期間(前事業年度開始の日以後6ヶ月間)の課税売上高と給与支払額のいずれもが1,000万円を超えた場合は、その事業年度から課税事業者となるため注意が必要です。
また、インボイス制度の開始に伴い、免税事業者であっても適格請求書発行事業者として登録した場合は課税事業者となる点も覚えておきましょう。

ポイント2 繁忙期を避けて決算業務に集中する

決算月を決めるとき、税金面だけでなく実務的な負担も考慮に入れる必要があります。

決算期には、通常の業務に加えて決算作業という大きなタスクが発生します。

決算作業には、以下のような業務が含まれます。

  • 帳簿の締め切り
  • 棚卸(在庫確認)
  • 決算整理仕訳
  • 決算書(貸借対照表、損益計算書など)の作成
  • 法人税、消費税、法人事業税などの申告書作成と納税

これらの業務は専門知識が必要であり、非常に手間と時間がかかります。

もし、自社の事業の最も忙しい時期と決算期が重なってしまうと、本業に支障が出たり、決算作業が疎かになったりする恐れがあります。

例えば、以下のような業種では、繁忙期を避けて決算月を設定することが望ましいでしょう。

  • 小売業・飲食業:年末年始や大型連休、セール時期(例:12月、1月、8月)を避ける。
  • 建設業・リフォーム業:公共工事の多い年度末(3月)や、個人の依頼が増える時期を避ける。
  • 人材派遣業:企業の採用活動が活発になる年度替わりの時期(3月、4月)を避ける。

税理士に決算業務を依頼する場合でも、資料の準備や内容の確認などで経営者自身の時間が必要になります。

自社の事業サイクルをよく理解し、比較的落ち着いて業務に取り組める時期を決算期に設定することで、正確な決算と納税、そして次年度に向けた経営分析にじっくりと時間を割くことができます。

ポイント3 資金繰りが楽になる月を選ぶ

会社経営においてキャッシュフロー(お金の流れ)の管理は生命線です。

決算月は、この資金繰りにも大きく影響します。

法人税や消費税といった税金の納付期限は、原則として「決算日の翌日から2ヶ月以内」です。

つまり、決算月の2ヶ月後には、まとまった現金を納税のために用意しておく必要があります

もし、売上の入金が少なくなる時期や、賞与の支払いや設備投資といった大きな支出が予定されている時期に納税期限が重なると、資金繰りが一気に厳しくなる「黒字倒産」のリスクさえ高まります。

このリスクを避けるためには、以下の2つの視点で決算月を検討することが有効です。

  1. 売上のピークの直後を決算月にする
    売上が最も多く計上される月の直後を決算月に設定すると、売掛金の入金によって手元資金が潤沢になったタイミングで納税期限を迎えることができます。
    例えば、8月に売上のピークを迎える事業であれば、9月や10月を決算月に設定すると資金繰りが安定しやすくなります。
  2. 大きな支出がある月と納税時期をずらす
    多くの企業では、従業員への賞与(ボーナス)を6月や12月に支給します。
    この時期に納税期限が重ならないように、決算月を調整することが賢明です。
    例えば、6月に賞与支払いがある場合、納税期限が6月末となる「4月決算」は避けた方が無難かもしれません。

会社のキャッシュフローのサイクルを予測し、納税負担が経営の重荷にならない月を選ぶという視点は、安定した会社経営のために不可欠です。

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会社設立後の決算月変更は可能か

結論から言うと、会社設立後に決算月を変更することは可能です。

事業の状況は常に変化するため、設立時に最適だと考えた決算月が、数年後には事業の実態と合わなくなるケースは少なくありません。

例えば、事業内容の変更によって繁忙期が変わったり、当初の想定よりも資金繰りが厳しい月が出てきたりした場合などです。

そのような状況に対応するため、会社法では定款を変更することで決算月の変更を認めています。

ただし、決算月の変更には所定の手続きが必要であり、いくつかの注意点も存在します。

手続き自体はそれほど複雑ではありませんが、変更による影響を正しく理解した上で進めることが重要です。

ここでは、決算月を変更するための具体的な手続きと、事前に知っておくべき注意点について詳しく解説します。

決算月を変更するための手続き

決算月を変更するには、まず会社の根本規則である「定款」の変更が必要です。
その上で、税務署や地方自治体へ変更の届出を行います。

主な手続きの流れは以下の通りです。

ステップ1:株主総会での定款変更決議

決算期(事業年度の末日)は定款の任意的記載事項です。
そのため、決算月を変更するには、まず株主総会を招集し、定款変更の承認を得る必要があります。
この決議は、通常の決議よりも要件が厳しい「特別決議」で行わなければなりません。
特別決議が可決されるためには、「議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成」が必要です。
決議後は、法的に効力のある議事録を作成し、会社で保管します。

ステップ2:税務署への届出

株主総会で定款変更が承認されたら、次は税務署への届出です。
所轄の税務署へ「異動届出書」を提出します。
この届出書には、変更前と変更後の事業年度を記載します。
提出期限は「遅滞なく」と定められており、明確な日数規定はありませんが、変更が決まったら速やかに手続きを行いましょう。
提出の際には、添付書類として変更の事実を証明する「株主総会議事録の写し」や「変更後の定款の写し」を求められるのが一般的です。

ステップ3:都道府県・市町村への届出

税務署だけでなく、法人住民税や法人事業税を納める都道府県税事務所や市区町村役場にも届出が必要です。
税務署と同様に「異動届出書(法人設立・設置・異動等申告書など、自治体により名称が異なる場合があります)」を提出します。
こちらも添付書類として定款や株主総会議事録の写しが必要となりますので、事前に各自治体のホームページなどで確認しておきましょう。

手続き必要なこと・提出書類提出先・実施場所備考
定款変更株主総会の開催と特別決議、議事録の作成自社決算期の変更は登記事項ではないため、法務局での変更登記は不要です。
税務署への届出異動届出書、株主総会議事録の写し等所轄の税務署変更後、遅滞なく提出する必要があります。
地方自治体への届出異動届出書(法人設立・設置・異動等申告書等)、株主総会議事録の写し等都道府県税事務所、市区町村役場税務署と同様に、遅滞なく提出します。

決算月変更に伴う注意点

決算月の変更はメリットだけではありません。

手続きを進める前に、以下の注意点を必ず確認してください。

変更後の最初の事業年度が1年未満になる

決算月を変更した場合、変更後の最初の事業年度は1年未満の「変則決算」となります。
例えば、これまで3月決算だった会社が12月決算に変更した場合、変更後の事業年度は「4月1日から12月31日まで」の9ヶ月間となります。
これにより、決算業務や法人税の申告・納税のタイミングが前倒しになるため、資金繰りや業務スケジュールに影響が出ないか事前にシミュレーションしておくことが不可欠です。

事業年度は1年6ヶ月を超えられない

会社法では事業年度を1年以内と定めていますが、決算期変更の初年度に限り、定款で定めることにより最長で1年6ヶ月まで事業年度を延長することが可能です。
しかし、税務申告は1年を超える期間をまとめて行うことはできません
もし事業年度を1年6ヶ月にした場合、最初の1年が経過した時点で一度「みなし事業年度」として税務申告を行い、残りの6ヶ月分を改めて申告する必要があります。
手続きが煩雑になるため、特別な理由がない限り、事業年度が1年を超えない範囲で決算月を変更するのが一般的です。

許認可事業の場合は別途手続きが必要なことも

建設業や古物商、人材派遣業など、行政からの許認可を受けて事業を行っている場合、決算月の変更に伴い、管轄の行政庁への届出や変更手続きが別途必要になるケースがあります。
手続きを怠ると許認可が取り消されるリスクもあるため、自社の事業に必要な許認可を確認し、関係各所への手続きの要否を事前に必ず確認しておきましょう。

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決算月を決めるその他の考慮事項

会社設立時の決算月は、消費税の免税期間や自社の繁忙期、資金繰りといった主要なポイント以外にも、考慮すべき事項がいくつか存在します。
これらは会社の運営や税務手続きに直接影響を与えるため、設立前にしっかりと確認しておくことが重要です。

ここでは、見落としがちですが後々の会社経営をスムーズにするための3つの視点をご紹介します。

役員報酬の変更タイミング

会社の役員に支払う役員報酬は、原則として事業年度ごとに金額を決定します。

そして、一度決めた役員報酬は、その事業年度が終了するまで毎月同額を支払わなければなりません(これを「定期同額給与」といいます)。

もし事業年度の途中で役員報酬の金額を変更(増額)した場合、その増額分は会社の経費(損金)として認められず、法人税の課税対象となってしまう可能性があります。
これにより、想定外の税負担が発生する恐れがあるため注意が必要です。

役員報酬の金額を変更できるタイミングは、原則として「事業年度開始の日から3ヶ月以内」と定められています。

つまり、決算月をいつにするかによって、役員報酬を見直せる時期が決まるのです。

例えば、会社の業績が安定し、利益の見通しが立てやすい時期の直後に事業年度が始まるように決算月を設定すれば、より現実に即した適切な役員報酬額を決定しやすくなります。

前期の業績を踏まえて次期の役員報酬を柔軟に決めたい場合は、この変更タイミングを意識して決算月を選ぶとよいでしょう。

税理士の繁忙期

決算を迎えると、決算書の作成や法人税の申告手続きなど、専門的で複雑な作業が必要になります。

多くの会社はこれらの業務を税理士に依頼しますが、その税理士にも繁忙期があることを忘れてはいけません。

税理士の繁忙期に決算申告の依頼が重なると、コミュニケーションが取りにくくなったり、通常よりも対応に時間がかかったりする可能性があります。

最悪の場合、新規の依頼を断られてしまうケースも考えられます。

税理士の主な繁忙期は以下の通りです。

時期主な業務
2月〜3月個人の確定申告業務
4月〜5月3月決算法人(日本で最も多い)の決算・申告業務
12月〜1月年末調整業務

特に、日本の大多数の企業が採用している3月決算の場合、申告期限である5月は税理士業界全体が非常に忙しくなります。

こうした税理士の繁忙期を避けて決算月を設定することで、決算時に手厚いサポートを受けやすくなるというメリットがあります。

例えば、4月、5月、6月などを決算月とすれば、税理士の繁忙期と申告時期がずれるため、落ち着いて相談や手続きを進めることができるでしょう。

顧問税理士が決まっている場合は、設立前に相談してみることをお勧めします。

株主総会の開催時期

株式会社は、会社法に基づき、毎事業年度の終了後、一定の時期に「定時株主総会」を招集する義務があります。

この株主総会では、その事業年度の決算報告書を承認したり、役員の選任や役員報酬の決定といった重要事項を決議したりします。

定時株主総会は、一般的に決算日の翌日から3ヶ月以内に開催されます。

これは、法人税の申告期限が原則として決算日の翌日から2ヶ月以内(申告期限の延長届を提出している場合は3ヶ月以内)であることと連動しています。

つまり、決算月を決めると、それに伴って定時株主総会の開催時期もおおよそ固定されることになります。

自分一人で会社を設立・運営する場合は特に問題になりませんが、株主が複数いる場合は注意が必要です。

株主のスケジュールが合わなければ、総会をスムーズに開催できません。

例えば、株主の中に海外在住者がいる場合や、特定の時期に多忙な方がいる場合は、その方々が出席しやすい時期に総会を開催できるよう、あらかじめ決算月を調整しておくといった配慮が求められます。

会社の重要な意思決定を円滑に進めるためにも、株主の状況を考慮して決算月を検討しましょう。

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【月別】決算月設定のメリット・デメリット

決算月は会社設立時に自由に設定できますが、どの月を選ぶかによって税務上の有利不利や業務の負担が大きく変わります。

ここでは、多くの企業が採用している「3月」「9月」「12月」を決算月とした場合のメリットとデメリットを具体的に解説します。

3月決算法人の場合

日本の多くの企業や官公庁が3月を決算月としています。

これは、国の会計年度が4月〜翌年3月であることに由来しており、上場企業の約7割が3月決算を採用しています。
そのため、比較対象となる業界データが豊富で、経営分析を行いやすいという特徴があります。

項目内容
メリット国の会計年度と一致するため、4月1日施行の税制改正に対応しやすい。
補助金や助成金は4月開始のものが多く、決算後の最新の財務諸表で申請できる。
同業他社の経営数値を参考にしやすく、自社の立ち位置を把握しやすい。
金融機関も年度末に向けて融資目標を達成しようとする傾向があり、融資交渉が有利に進む可能性がある。
デメリット決算申告の期限である5月末は、税理士の最大の繁忙期と重なります。
そのため、税理士との打ち合わせ時間が十分に取れなかったり、決算料が割高になったりする可能性があります。
株主総会が6月に集中するため、会場の確保が難しくなることがあります。
監査が必要な場合、監査法人の繁忙期とも重なり、監査対応の負担が大きくなります。

税制改正への対応のしやすさは大きな魅力ですが、税理士や監査法人といった専門家のサポートが手薄になるリスクを考慮する必要があります。

設立当初で、専門家と密に連携を取りたい場合は、慎重に検討すべき月と言えるでしょう。

9月決算法人の場合

9月決算は、税理士の繁忙期を避けられるという点で、近年注目されている選択肢の一つです。

決算業務や節税対策について、専門家とじっくり時間をかけて相談したいと考える経営者に適しています。

項目内容
メリット税理士の閑散期にあたるため、決算や節税対策について手厚いサポートを受けやすい。
消費税の免税期間を最大限活用したい場合、設立日(例:10月1日)から決算までほぼ1年間となり、設立初年度の準備期間を長く取れます。
アメリカの会計年度(多くの企業が9月または12月)と合わせやすく、米国企業との取引が多い場合に有利になることがあります。
株主総会の時期が他の企業とずれるため、会場の確保が容易です。
デメリット4月1日施行の税制改正が期中に適用されるため、会計処理が煩雑になる可能性があります。
日本の多くの企業と事業年度が異なるため、経営指標の比較がしにくい場合があります。
役員人事や組織改編のタイミングが、日本の一般的なサイクル(4月)とずれることがあります。

9月決算の最大のメリットは、税理士と余裕をもって決算業務を進められる点です。

特に、初めての決算で不安が大きい創業者や、複雑な節税対策を検討したい企業にとっては、有力な選択肢となるでしょう。

12月決算法人の場合

12月決算は、暦年と事業年度が一致するため、個人の感覚として経営状況を把握しやすいのが特徴です。
また、グローバル企業の多くが12月決算を採用しているため、海外との取引が多い企業にも選ばれています。

項目内容
メリット暦年(1月〜12月)と一致するため、月次の業績管理や個人の所得(役員報酬など)との関連性が分かりやすい。
海外の親会社や取引先(特に欧米企業)と会計年度が揃い、連結決算やレポーティングがスムーズに進む。
年末商戦のある小売業やサービス業では、1年間の成果を区切りよく決算に反映させることができます。
デメリット年末年始の休暇と決算作業が重なり、経理担当者の負担が非常に大きくなります。
申告期限の2月末は、個人の確定申告の準備期間と重なるため、税理士が多忙になります。
3月決算に次いで採用する企業が多いため、税理士の繁忙期と重なる傾向があります。

個人事業主から法人成りした場合、感覚的に分かりやすいため12月決算を選ぶケースも多いです。

しかし、社内の経理担当者や税理士の負担が年末年始に集中するという大きなデメリットも理解しておく必要があります。

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会社設立の決算月に関するよくある質問

会社の決算月を決めるにあたり、多くの方が抱く疑問についてQ&A形式で解説します。

基本的なルールから、実務上の傾向まで、ここでスッキリ解決しておきましょう。

決算月は自由に決められるのか

はい、会社の決算月は、設立日から1年以内であれば自由に設定できます
日本の会社法では、事業年度の末日を特定の月にしなければならないという規定はありません。
会社を設立する際には、事業年度を定款(会社のルールを定めた書類)に記載する必要があります。
例えば、「当会社の事業年度は、毎年4月1日から翌年3月31日までとする。」といった形で定めます。
この「3月31日」が事業年度の末日となり、3月が決算月となります。
最初の事業年度は、会社設立日から最初の決算日までとなります。

個人事業主の時から決算月は引き継がれるのか

いいえ、引き継がれません。
個人事業主から法人成りした場合でも、決算月は新たに設定する必要があります
個人事業主の会計期間は、所得税法によって1月1日から12月31日までと定められており、変更することはできません。
一方で、法人は前述の通り、自由に事業年度を設定できます。
そのため、法人化を機に、ご自身のビジネスにとって最も有利な月を決算月として選ぶことが可能です。
例えば、10月1日に会社を設立した場合、個人事業主としてはその年の1月1日から9月30日までの期間で確定申告を行い、新設した法人は別途定めた決算月に従って決算申告を行うことになります。

決算月の決め方で一番多い月はいつか

日本の法人で最も多い決算月は3月です
国税庁の統計によると、全法人の約2割が3月決算を選択しています。
次いで9月、12月が多くなっています。
3月決算が多い主な理由は、日本の会計年度の慣習にあります。
国や地方公共団体の会計年度が4月始まりであることや、多くの大企業がそれに倣っているため、取引先との関係や事業計画の立てやすさから3月を選ぶ企業が多いのです。
また、税制改正の多くが4月1日に施行されるため、期中にルール変更の影響を受けにくいというメリットもあります。

決算月 割合 主な理由・特徴
3月 最も多い(約2割) 国や大企業の会計年度と一致。公共事業や大手との取引が多い場合に有利。税制改正への対応がしやすい。
9月 2番目に多い 3月決算の次に多く、半期決算として区切りが良い。海外の会計年度(12月決算)を意識する企業にも選ばれやすい。
12月 3番目に多い 暦年と一致するため管理がしやすい。海外の親会社や取引先が12月決算の場合に合わせることが多い。

ただし、一番多いからという理由だけで決算月を選ぶのは得策ではありません。
自社の繁忙期や資金繰りの状況、消費税の免税期間などを総合的に考慮し、最適な月を選択することが重要です。

まとめ

会社設立時の決算月は自由に決められますが、安易に決めると損をする可能性があります。

最大のポイントは、設立日からできるだけ離れた月を決算月に設定し、消費税の免税期間を最大限活用することです。
これにより、最長で2年近く消費税の納税が免除される可能性があります。

また、自社の繁忙期を避け、資金繰りに余裕がある月を選ぶことで、決算業務に集中しやすくなります。

決算月は後から変更も可能ですが、手間がかかるため、本記事で解説したポイントを参考に、設立時に自社にとって最適な月を慎重に検討しましょう。

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