会社設立で最大限の節税効果を得る方法|知らないと損するポイント

会社設立を検討中の方へ。
この記事では、会社設立によって得られる節税効果を最大限に引き出す方法を徹底解説します。

個人事業主との税制の違いから、設立前後の具体的な節税策、注意点まで網羅。正しい知識を身につけ、計画的に会社を設立することで、無駄な税金を抑え、事業の成長を加速させることが可能です。

知らないと損する節税のポイントをしっかり押さえましょう。

会社設立による節税の仕組みとは 個人事業主との違い

会社を設立すると、個人事業主のまま事業を続ける場合と比較して、税金面で有利になる可能性があります。
これは、個人に課される「所得税」と法人に課される「法人税」の税率構造の違いや、経費として認められる範囲の違いなどによるものです。

ここでは、会社設立によってどのような節税メリットが期待できるのか、個人事業主との具体的な違いを解説します。

所得税と法人税 税率構造の違いを理解する

個人事業主の所得には「所得税」が課され、所得が増えるほど税率が高くなる「累進課税制度」が採用されています。

一方、会社(法人)の所得には「法人税」が課され、その税率は所得金額に応じて段階的に設定されていますが、所得税ほどの急激な累進構造ではありません。

具体的に、所得税は住民税と合わせると最大で約55%の税率になりますが、法人税の実効税率(法人税、地方法人税、法人住民税、法人事業税の合計)は、所得金額にもよりますが、おおむね25%~35%程度に収まることが一般的です。

以下の表は、所得金額に応じた個人と法人の税負担のイメージを比較したものです(税率は変動する可能性があり、各種控除等も考慮していない概算です)。

所得金額個人事業主 (所得税・住民税・事業税 合計の概算最高税率)法人 (実効税率の概算)
~400万円約15%~30%約25%
400万円~800万円約30%~40%約25%~27%
800万円~約40%~55%約34%

この表からもわかるように、事業所得がある一定の金額(一般的に利益が800万円~1,000万円程度)を超えると、個人事業主よりも法人の方がトータルの税負担が軽くなる可能性が高まります。

どのタイミングで法人化するのが有利かは、個々の状況によって異なるため、シミュレーションが必要です。

役員報酬で給与所得控除を活用する

個人事業主の場合、事業で得た利益はすべて事業主個人の所得となり、そこから経費を差し引いたものが課税対象となります。

事業主自身への給与(生活費)を経費として計上することはできません。

一方、会社を設立すると、経営者自身も会社から給料(役員報酬)を受け取ることができます。
この役員報酬は、法人の経費(損金)として計上できるため、法人の利益を圧縮し、法人税の負担を軽減する効果があります。

さらに、役員報酬を受け取る個人側では、その収入は「給与所得」として扱われます。

給与所得には「給与所得控除」という、収入に応じて一定額を所得から差し引ける制度があります。
これは、個人事業主の事業所得にはない控除制度です。給与所得控除を活用することで、個人の所得税・住民税の負担も軽減できる可能性があります。

つまり、法人化によって利益を「法人の利益」と「個人の役員報酬(給与所得)」に分散し、それぞれに適用される税率や控除を利用することで、トータルの税負担を最適化できるのです。

経費計上できる範囲が広がるメリット

法人化すると、個人事業主では経費として認められにくい支出も、法人の経費(損金)として計上できる範囲が広がることがあります。
これは、法人が個人とは別人格として扱われるためです。

例えば、以下のようなものが挙げられます。

  • 生命保険料:個人事業主の場合、生命保険料控除として所得控除の対象にはなりますが、控除額には上限があります。一方、法人契約の生命保険(養老保険、定期保険など)は、保険の種類や契約形態によって、支払った保険料の全部または一部を損金として計上できる場合があります。
  • 社宅:役員や従業員のために会社が借り上げた物件を社宅として提供する場合、一定の要件を満たせば、家賃の一部を法人の経費にできます。個人が負担する家賃も、通常より低く抑えられる可能性があります。
  • 退職金:個人事業主は自分自身に退職金を支払うことはできません(小規模企業共済などで備えることは可能)。法人の場合、役員や従業員に対して退職金を支給することができ、適正な金額であれば、その全額を損金として計上できます。退職金を受け取る側も、税制上優遇された「退職所得控除」を利用できます。
  • 出張手当(日当):旅費規程を整備することで、役員や従業員の出張に対して、実費とは別に日当を支給できます。この日当は、受け取る側では非課税所得となり、支払う法人側では損金として計上できます。

ただし、これらの経費計上が認められるためには、事業活動との関連性や社会通念上妥当な金額であること、規程の整備など、一定の要件を満たす必要があります。

何でも経費にできるわけではない点には注意が必要です。

消費税の納税義務と免税期間について

個人事業主・法人を問わず、原則として前々年の課税売上高が1,000万円を超えると、消費税の納税義務が発生します(課税事業者となります)。

個人事業主から法人成りした場合、設立された法人は新しい主体として扱われます。
そのため、資本金が1,000万円未満などの一定の要件を満たせば、設立1期目と2期目は原則として消費税の納税が免除される可能性があります(免税事業者)。

個人事業主として課税事業者であったとしても、法人成りによって新たに免税期間を得られるケースがあるのです。

ただし、以下の点には注意が必要です。

  • 特定期間の判定:設立1期目の開始日から6ヶ月間(特定期間)の課税売上高または給与支払額が1,000万円を超えた場合、2期目から課税事業者となります。
  • インボイス制度:適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)として登録すると、課税売上高に関わらず課税事業者となります。取引先の意向などによっては、免税期間中であっても登録を選択する場合があります。

消費税の免税メリットを最大限に活用するには、資本金の設定や事業開始後の売上・給与の見込みを考慮する必要があります。

欠損金の繰越控除による節税効果

事業を行っていると、売上よりも経費が多くなり、赤字(税法上は「欠損金」)が発生することがあります。
この欠損金の取り扱いにも、個人事業主と法人で違いがあります。

個人事業主(青色申告者)の場合、発生した純損失は、原則として翌年以降3年間にわたって繰り越し、将来の所得(黒字)と相殺することができます。

一方、法人の場合、発生した欠損金は、原則として翌事業年度以降10年間にわたって繰り越すことが可能です(青色申告法人であることなどの要件あり)。

区分欠損金の繰越可能期間 (原則)
個人事業主 (青色申告)3年間
法人 (青色申告)10年間

繰越期間が長いほど、将来の黒字と相殺できる可能性が高まり、長期的な視点での節税効果が期待できます。
特に、設立当初は投資がかさみ赤字になりやすい場合や、事業の収益が安定するまでに時間がかかる場合に、この繰越控除制度は大きなメリットとなります。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

会社設立前に検討すべき節税ポイント

会社設立は、事業を成長させる大きな一歩ですが、同時に節税戦略を考える絶好の機会でもあります。

設立前にいくつかの重要なポイントを押さえておくことで、将来的な税負担を大きく軽減できる可能性があります。

ここでは、会社設立前に必ず検討しておきたい節税に関するポイントを詳しく解説します。

設立後の変更が難しい項目もあるため、慎重な判断が求められます。

資本金はいくらに設定するのが節税につながるか

資本金の額は、会社の信用力や融資の受けやすさに関わる重要な要素ですが、節税の観点からも無視できません。
特に消費税の納税義務に大きな影響を与えます。

原則として、資本金が1,000万円未満であれば、設立1期目の消費税の納税が免除されます。
さらに、特定期間(事業年度開始の日から6ヶ月間)の課税売上高と給与支払額のいずれもが1,000万円以下であれば、2期目も免税事業者となることができます。

ただし、インボイス制度(適格請求書等保存方式)の開始により、免税事業者であっても取引先の意向によっては適格請求書発行事業者への登録を検討する必要が出てきました。

登録すると課税事業者になるため、資本金を1,000万円未満に設定することが必ずしも有利とは限らないケースもあります。

自社の取引状況や事業計画を踏まえ、税理士などの専門家と相談しながら決定することが重要です。

また、資本金の額は設立時の登録免許税にも影響します。株式会社の場合、登録免許税は「資本金の額 × 0.7%」ですが、最低額が15万円と定められています。

資本金が約2,143万円以下であれば、登録免許税は一律15万円となります。

決算期はいつにすると有利か

決算期(事業年度の末日)をいつにするかは、会社の任意で決めることができます。

決算期の決定は、消費税の免税期間や業務の効率性に影響を与えるため、戦略的に設定しましょう。

節税面で最も大きな影響があるのは、消費税の免税期間です。

前述の通り、資本金1,000万円未満で設立した場合、原則として設立1期目は消費税が免除されます。
この免税期間を最大限に活用するためには、設立日からできるだけ遠い月を決算月にするのが有利です。

例えば、4月1日に会社を設立する場合、決算期を翌年の3月末に設定すれば、ほぼ1年間の免税期間を確保できます。

もし設立日が月の後半であれば、翌々月を決算月にするなど、少しでも期間を長く取る工夫が考えられます。

その他の考慮事項としては、以下のような点が挙げられます。

  • 自社の繁忙期を避ける: 決算業務や税務申告は手間がかかるため、事業の繁忙期と重ならないように設定すると、業務負担を分散できます。
  • 資金繰りの良い時期に合わせる: 法人税等の納税は決算日から原則2ヶ月以内に行う必要があります。資金に余裕がある時期を決算月の直後に設定すると、納税資金の確保がしやすくなります。
  • 税理士の繁忙期を避ける: 3月決算の会社が多いため、それに伴い4月、5月は税理士の繁忙期となります。また、年末調整がある12月、1月も忙しい傾向があります。これらの時期を避けることで、税理士とのコミュニケーションが円滑に進む可能性があります。

役員報酬の最適な金額設定と考え方

会社設立による節税の大きな柱の一つが、役員報酬を経費(損金)として計上し、経営者個人には給与所得控除が適用される点です。

役員報酬の金額設定は、法人税と個人の所得税・住民税・社会保険料のバランスを考慮して慎重に行う必要があります。

役員報酬を高く設定すれば、会社の利益が圧縮され法人税は減少しますが、個人の所得税・住民税・社会保険料の負担が増加します。

逆に低く設定すれば、個人の税負担は軽くなりますが、会社の利益が増え法人税が増加します。

最適な役員報酬額は、会社の利益予測、経営者や家族の生活費、社会保険料負担、そして法人税率と所得税率のバランスを総合的に勘案して決定する必要があります。

法人税率が所得税・住民税・社会保険料の合計負担率よりも低い範囲で、できるだけ役員報酬として支給するのが基本的な考え方となりますが、具体的なシミュレーションが不可欠です。

重要な注意点として、役員報酬は原則として事業年度を通じて毎月同額(定期同額給与)でなければ、損金として認められません。

事業年度開始から3ヶ月以内であれば変更可能ですが、それ以降の期中での増額・減額は、業績悪化など正当な理由がない限り損金不算入となるリスクがあります。
そのため、設立時の利益計画に基づいた慎重な金額設定が求められます。

損金算入が認められる役員報酬には、定期同額給与の他に、事前に税務署に届け出た時期・金額を支給する「事前確定届出給与」や、利益に連動して支給額が決まる「業績連動給与」(主に非同族会社が対象)があります。

家族を役員にする場合の注意点

生計を同一にする家族を会社の役員とし、報酬を支払うことで、所得を分散させ、世帯全体での所得税・住民税負担を軽減できる可能性があります。
これも有効な節税策の一つです。

ただし、家族を役員にする場合には、以下の点に十分注意する必要があります。

  • 勤務実態があること: 役員としての職務(取締役会への出席、経営判断への関与など)や、従業員としての労働実態がなければ、報酬の支払いは認められません。名ばかり役員への報酬は、税務調査で否認されるリスクが非常に高いです。
  • 報酬額が相当であること: 職務内容や他の役員・従業員の給与水準と比較して、不相当に高額な報酬は損金として認められない可能性があります。常勤か非常勤かによっても、相当とされる報酬額は異なります。
  • 社会保険への加入: 常勤役員はもちろん、非常勤役員であっても、一定の要件を満たす場合には社会保険への加入義務が生じます。保険料負担も考慮に入れる必要があります。

家族への役員報酬は、税務調査で特に厳しくチェックされるポイントです。

役員としての職務内容を明確にし、議事録を作成するなど、勤務実態を客観的に証明できる準備をしておくことが重要です。

定款作成時に注意すべき項目

定款は会社の基本的なルールを定めたものであり、「会社の憲法」とも呼ばれます。

設立後の会社運営の基盤となるだけでなく、節税や将来の事業展開にも関わる項目が含まれます。

節税や会社運営の効率化の観点から、定款作成時に特に注意しておきたい項目は以下の通りです。

  • 事業目的: 現在行っている事業だけでなく、将来的に展開する可能性のある事業も幅広く記載しておきましょう。後から事業目的を追加するには、定款変更の手続き(株主総会の特別決議と登記変更)が必要となり、手間と費用(登録免許税3万円)がかかります。許認可が必要な事業を行う場合は、その許認可要件を満たすような記載が必要です。
  • 公告方法: 会社の公告方法として、官報、日刊新聞紙、電子公告(自社ホームページなど)から選択できます。官報掲載は費用がかかりますが、電子公告を選択すれば、掲載費用を抑えることができます。ただし、決算公告はすべての会社に義務付けられています。
  • 役員の任期: 役員の任期は、非公開会社の場合、最長で10年まで伸長できます。任期を長く設定すれば、役員変更登記の頻度を減らすことができ、登記費用の節約につながります。ただし、経営の柔軟性が損なわれる可能性もあるため、慎重な検討が必要です。
  • 現物出資に関する規定: 金銭以外(車、不動産、有価証券など)で出資を行う場合は、定款にその旨と財産の価額、出資者の氏名などを記載する必要があります。
  • 株式の譲渡制限に関する規定: 会社の株式を自由に譲渡できないように制限を設ける規定です。多くの非公開会社で採用されており、意図しない第三者に経営権が渡るのを防ぐ効果があります。節税とは直接関係ありませんが、安定した会社経営のために重要です。

定款は、一度作成すると変更に手間と費用がかかるため、設立時に専門家(司法書士や行政書士、税理士)に相談しながら、将来を見据えて慎重に作成することをおすすめします。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

会社設立後に実践できる具体的な節税対策10選

会社設立はゴールではなく、スタートです。設立後、日々の経営活動の中で継続的に節税対策を講じることが、キャッシュフローを改善し、事業の成長を加速させる鍵となります。

ここでは、多くの企業が実践している具体的な節税対策を10個厳選してご紹介します。

旅費規程を作成して出張手当を活用する

役員や従業員が出張する際に、実費精算とは別に出張手当(日当)を支給する制度です。

事前に「旅費規程」を整備しておくことで、この出張手当を経費として計上できます。

出張手当のメリット

  • 支給された役員・従業員にとっては所得税・住民税が非課税(社会通念上相当な金額の場合)
  • 会社にとっては全額損金算入可能
  • 出張時の細かな経費精算の手間を削減

旅費規程作成のポイント

税務調査で否認されないためには、客観的かつ合理的な旅費規程を作成・運用することが重要です。

項目内容例注意点
適用範囲全役員・全従業員(役職等で差を設ける場合は合理的な理由が必要)特定の人物だけを優遇する内容は否認リスクあり
旅費の種類交通費、宿泊費、日当(出張手当)実費精算分と手当を明確に区別
支給額役職、地域(国内・海外)、宿泊の有無等に応じて設定社会通念上相当な金額(同業他社や会社の規模を参考に)
申請・精算手続き事前申請、事後報告(出張報告書)、領収書の扱い規程に基づいた運用実績を残すことが重要

出張手当の金額設定に迷う場合は、税理士に相談することをおすすめします。

社宅制度を導入して家賃を経費にする

会社が賃貸物件を契約し、役員や従業員に社宅として貸し出す制度です。

役員や従業員から一定の家賃(賃料相当額)を受け取ることで、会社が支払う家賃との差額を経費として計上できます。

社宅制度のメリット

  • 会社:家賃の一部を経費計上でき、法人税の節税につながる
  • 役員・従業員:個人で契約するより低い自己負担で住居を確保でき、実質的な手取り収入が増加(福利厚生の充実)

社宅制度導入のポイント

社宅として認められ、給与課税されないためには、役員や従業員から「賃料相当額」以上の家賃を受け取る必要があります。

賃料相当額の計算方法は、役員か従業員か、また物件の規模によって異なります。

対象者賃料相当額の計算式(月額)
役員(1) その年度の家屋の固定資産税課税標準額 × 0.2%
(2) 12円 × (その家屋の総床面積(㎡) ÷ 3.3㎡)
(3) その年度の敷地の固定資産税課税標準額 × 0.22%
合計額 (1) + (2) + (3)
従業員上記役員の計算式で算出した額の50%以上を受け取っていれば、給与として課税されない

※豪華な社宅や、役員の場合で床面積が広い場合などは計算方法が異なります。

詳細は国税庁のウェブサイトや税理士にご確認ください。

社宅制度を導入する際は、「社宅管理規程」を作成し、対象者、家賃設定、入退去ルールなどを明確にしておきましょう。

生命保険(法人保険)を活用した節税と保障

会社を契約者、役員や従業員を被保険者として加入する生命保険(法人保険)は、保障を確保しながら、支払い保険料の一部または全額を損金に算入できる場合があります。

法人保険の主な活用目的

  • 役員の死亡退職金・弔慰金の財源確保
  • 事業保障(経営者が万一の場合の運転資金確保)
  • 従業員の福利厚生(弔慰金、入院給付金など)
  • 将来の役員退職慰労金の財源準備(解約返戻金や満期保険金の活用)

保険種類と損金算入ルール

保険の種類や契約形態によって、損金算入できる割合やルールが異なります。

2019年の法人税基本通達改正により、特に節税目的での利用が多かった定期保険や第三分野保険(医療保険など)の損金算入ルールが変更されています。

保険種類主な目的損金算入の考え方(一般的な例)注意点
定期保険死亡保障、事業保障最高解約返戻率に応じて損金算入割合が変動。期間経過後に資産計上へ振替。短期的な節税効果は限定的。出口戦略(解約時期)が重要。
養老保険死亡保障、生存退職金原則として資産計上(福利厚生目的のハーフタックスプランを除く)節税効果は低いが、貯蓄性が高い。
医療保険・がん保険入院・手術保障短期払込の場合は期間按分して損金算入。終身払いは全額損金算入可。解約返戻金の有無で扱いが変わる場合あり。

法人保険の活用は、保障の必要性と節税効果、キャッシュフローへの影響を総合的に判断する必要があります。

保険商品や税務ルールは複雑なため、専門家である保険代理店や税理士に相談の上、慎重に検討しましょう。

退職金制度(役員退職慰労金 iDeCo+)を準備する

役員や従業員の退職金は、会社の経費(損金)として計上できます。
また、受け取る側にとっても「退職所得」として税制上優遇されており、所得税・住民税の負担が給与所得に比べて大幅に軽減されます。

役員退職慰労金

役員の功績に報いるために支給される退職金です。

損金算入するためには、株主総会の決議と、「役員退職慰労金規程」に基づく適正な金額である必要があります。

過大と判断される部分は損金として認められません。

退職金の原資は、計画的に準備する必要があります。

前述の法人保険の解約返戻金などを活用するケースも多く見られます。

iDeCo+(イデコプラス:中小事業主掛金納付制度)

iDeCo+は、従業員が加入するiDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金に、会社が掛金を上乗せして拠出できる制度です(従業員100名以下などの要件あり)。

  • 会社が拠出する掛金(事業主掛金):全額損金算入可能
  • 従業員の掛金と会社の掛金の合計額:従業員の所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象

iDeCo+は、従業員の老後資産形成を支援する福利厚生制度として導入でき、同時に会社の節税にもつながります。

退職金制度の設計や規程作成、iDeCo+の導入手続きについては、社会保険労務士や税理士に相談することをおすすめします。

倒産防止共済(経営セーフティ共済)に加入する

経営セーフティ共済は、取引先の倒産による連鎖倒産や経営難を防ぐための制度で、独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営しています。

経営セーフティ共済のメリット

  • 掛金の全額が損金算入可能(年間最大240万円、累計800万円まで)
  • 取引先が倒産した場合、無担保・無保証人で掛金総額の10倍(最高8,000万円)までの借入れが可能
  • 解約時には解約手当金が受け取れる(加入期間40ヶ月以上で掛金全額が戻る)

注意点

  • 加入資格がある(設立後1年以上経過していることなど)
  • 解約手当金は受け取り時に益金(雑収入)として課税されるため、出口戦略(解約のタイミング)が重要(役員退職金の支払い時期に合わせるなど)
  • 加入後6ヶ月間は借入れができない
  • 12ヶ月未満の任意解約では解約手当金が受け取れない

節税効果と万が一の備えを両立できる制度ですが、キャッシュフローへの影響や出口戦略を考慮して加入を検討しましょう。

法人名義の自動車購入と経費計上

事業で使用する自動車を法人名義で購入またはリースする場合、その費用(車両本体価格の減価償却費、自動車税、保険料、ガソリン代、駐車場代など)を経費として計上できます。

購入とリースの比較

項目購入リース
所有権会社リース会社
経費計上減価償却費、各種維持費リース料(原則全額損金)
初期費用大きい(車両代金)小さい(頭金不要の場合も)
メリット資産になる、カスタマイズ自由費用が平準化、管理が楽
デメリット初期費用大、減価償却計算が必要総支払額は割高になる可能性、中途解約が難しい

減価償却による節税

車両本体価格は、購入時に一括で経費になるのではなく、法定耐用年数に応じて分割して経費計上(減価償却)します。

新車か中古車か、普通自動車か軽自動車かなどで耐用年数は異なります。

(例)新車の普通自動車:耐用年数6年、新車の軽自動車:耐用年数4年

中古車の場合は、より短い期間で減価償却できるため、早期に費用計上したい場合に有利になることがあります(詳細は後述)。

注意点

  • 役員などが私的に使用する分は経費として認められないため、事業使用割合に応じて家事按分が必要になる場合があります。
  • 高額な高級車などは、税務調査で事業関連性を厳しく問われる可能性があります。

福利厚生費を効果的に活用する

福利厚生費は、従業員の労働意欲向上や満足度向上を目的として、給与以外に支出される費用です。

一定の要件を満たせば、損金として計上でき、かつ従業員の給与所得としても課税されません。

福利厚生費として認められる主な費用例

  • 社員旅行(全従業員の50%以上が参加、4泊5日以内、会社負担額が社会通念上相当など)
  • 忘年会・新年会費用(全従業員対象、社会通念上相当な金額)
  • 慶弔見舞金(規程に基づく、社会通念上相当な金額)
  • 食事補助(従業員が半額以上負担、会社負担月額3,500円以下)
  • 健康診断・人間ドック費用(全従業員対象)
  • 社宅(前述)
  • 通勤手当(非課税限度額内)

福利厚生費として認められるための要件

  • 全従業員を対象としていること(役員だけ、特定の従業員だけは給与とみなされる可能性)
  • 社会通念上、妥当な金額であること
  • 現金支給ではないこと(慶弔見舞金などを除く)

福利厚生制度を充実させることは、節税だけでなく、人材確保や定着率向上にもつながる重要な経営戦略です。

「福利厚生規程」を作成し、制度内容を明確化しておくことが望ましいでしょう。

中古資産の購入で減価償却費を増やす

事業に必要な設備や備品、車両などを購入する際、新品ではなく中古資産を選択することも節税につながる場合があります。

中古資産は、新品に比べて法定耐用年数が短くなるため、購入した年度の減価償却費を大きく計上できます。

中古資産の耐用年数の計算方法

中古資産の耐用年数は、その資産の法定耐用年数と経過年数を用いて計算します(簡便法)。

  • 法定耐用年数の全部を経過した場合:法定耐用年数 × 20%
  • 法定耐用年数の一部を経過した場合:(法定耐用年数 – 経過年数) + (経過年数 × 20%)

(例)法定耐用年数6年の普通自動車を、4年落ちで購入した場合: (6年 – 4年) + (4年 × 20%) = 2年 + 0.8年 = 2.8年 → 耐用年数2年(1年未満切り捨て)

耐用年数が短いほど、1年あたりの減価償却費は大きくなり、早期に費用化できます。
特に、4年落ち以上の普通自動車(法定耐用年数6年)は、耐用年数が2年となり、定率法を採用すれば初年度に多くの減価償却費を計上できます。

◆ 注意点

  • 中古資産の購入価額が適正である必要があります。
  • 修繕費などがかさむリスクも考慮する必要があります。
  • 事業の用に供した時点から減価償却を開始します。購入しても使用していなければ償却できません。

キャッシュフローの状況や設備の必要性を考慮し、新品と中古のメリット・デメリットを比較検討しましょう。

広告宣伝費を効果的に使う

会社の製品やサービスを広く知らせ、売上を伸ばすために支出する広告宣伝費は、原則として全額損金算入できます。

効果的な広告宣伝は、事業成長と節税の両面に貢献します。

広告宣伝費に含まれる主な費用

  • Webサイト制作費、Web広告(リスティング広告、SNS広告など)
  • パンフレット、チラシ、カタログなどの制作・印刷費
  • 新聞、雑誌、テレビ、ラジオへの広告掲載料
  • 看板、ネオンサインなどの設置費用
  • 展示会、見本市への出展費用
  • 会社名入りのカレンダー、手帳、タオルなどの配布費用(不特定多数向け)

注意点:交際費との区別

広告宣伝費と似た費用に交際費がありますが、税務上の扱いが異なります。

交際費は損金算入に制限がありますが、広告宣伝費は原則全額損金です。

  • 不特定多数の人を対象とする費用は広告宣伝費
  • 特定の取引先などを対象とする接待、供応、慰安、贈答などの費用は交際費

(例)社名入りカレンダー:不特定多数に配れば広告宣伝費、特定の取引先にのみ配れば交際費となる可能性があります。

将来の売上につながる投資として、計画的に広告宣伝費を活用することが重要です。

費用対効果を測定しながら、適切な媒体や手法を選択しましょう。

少額減価償却資産の特例を活用する

通常、10万円以上の資産(備品、機械装置など)は減価償却が必要ですが、中小企業者等には「少額減価償却資産の特例」が設けられています。

特例の内容

  • 取得価額が30万円未満の減価償却資産について、購入・使用開始した年度に全額を損金算入できる制度です。
  • 対象となるのは、青色申告法人である中小企業者等(資本金1億円以下など)です。
  • 年間合計300万円までという上限があります。

メリット

  • 購入年度に一括で経費計上できるため、短期的な節税効果が高い
  • 減価償却計算や償却資産税の申告が不要となり、事務負担が軽減される。

注意点

  • この特例は租税特別措置法による時限的な制度であり、適用期限があります(現時点では令和6年3月31日までとされていますが、延長される可能性もあります。最新情報を確認してください)。
  • 取得価額が10万円未満のものは、この特例を使わずとも消耗品費などとして一括損金算入できます。
  • 取得価額が10万円以上20万円未満のものは、「一括償却資産」として3年間で均等償却することも可能です。

パソコン、コピー機、応接セット、ソフトウェアなど、比較的高額な備品を購入する際に活用できる有効な節税策です。

適用要件や期限を確認し、計画的に利用しましょう。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

知らないと損する会社設立の注意点とデメリット

会社設立による節税メリットは大きいですが、一方で個人事業主にはなかった義務やコストが発生します。

メリットばかりに目を向けるのではなく、設立前に必ず知っておくべき注意点やデメリットを理解し、総合的に判断することが重要です。

ここでは、特に見落としがちなポイントを解説します。

会社設立費用と維持コストの把握

会社設立には、まず初期費用がかかります。

株式会社と合同会社で費用は異なりますが、主な内訳は以下の通りです。

費用項目株式会社(電子定款の場合)合同会社(電子定款の場合)備考
定款認証手数料約5万2千円不要公証役場に支払う手数料(資本金の額等により変動)
登録免許税最低15万円最低6万円資本金の額×0.7%(最低額に満たない場合は最低額)
その他印鑑作成費、登記事項証明書取得費など数千円~数万円程度
合計(目安)約20万円~約6万円~司法書士等に依頼する場合は別途報酬が必要

さらに、会社設立後は維持コストが継続的に発生します。

主なものとしては、以下のような費用が挙げられます。

  • 法人住民税均等割: 赤字でも最低年間約7万円(資本金・従業員数・自治体により異なる)
  • 税理士顧問料・決算申告料: 複雑な法人税申告のため、多くの場合必要(年間数十万円~)
  • 社会保険料の会社負担分: 後述の通り、負担が大きくなる可能性
  • 登記変更費用: 役員変更、本店移転などの際に発生

これらのコストは個人事業主にはなかった、あるいは負担が少なかったものが多く、事前に資金計画に織り込んでおく必要があります。

社会保険への加入義務と保険料負担

法人化すると、社長1人であっても原則として健康保険・厚生年金保険(社会保険)への加入が義務付けられます

個人事業主の場合は、国民健康保険と国民年金に加入するのが一般的ですが、社会保険は強制加入であり、保険料も高くなる傾向があります。

社会保険料は、役員報酬や従業員の給与(標準報酬月額)に応じて決まり、会社と個人(役員・従業員)がそれぞれ約半分ずつ負担します。
つまり、会社にとっては人件費(法定福利費)が増加し、個人の手取り額も減少する可能性があるということです。

例えば、役員報酬が月額50万円の場合、大まかな目安として会社負担分の社会保険料は月額7万円程度(年間約84万円)にもなります。
これは無視できないコストであり、役員報酬の設定にも大きく影響します。

国民健康保険料は前年の所得に応じて変動し上限もありますが、厚生年金保険料には上限があるものの、健康保険料は報酬が高くなるほど上がり続けます(上限あり)。

ただし、厚生年金に加入することで、将来受け取れる年金額が国民年金のみの場合よりも手厚くなるというメリットもあります。

赤字でも発生する法人住民税均等割

法人税は会社の利益(所得)に対して課税されるため、赤字であれば基本的に発生しません。
しかし、法人住民税には「均等割」というものがあり、これは会社の所得に関係なく、資本金の額や従業員数に応じて課税されます。

つまり、たとえ会社が赤字であっても、毎年必ず支払わなければならない税金なのです。

税額は自治体によって異なりますが、資本金1,000万円以下、従業員50人以下の比較的小規模な会社でも、最低で年間合計7万円程度(都道府県民税2万円+市町村民税5万円)がかかります。

個人事業主の場合、所得がなければ所得税や住民税(所得割)は発生しません(住民税均等割は発生)。
この点は法人化による明確なデメリットであり、事業が軌道に乗るまでの期間や、売上が不安定な業種の場合は特に注意が必要です。

交際費の損金算入には制限がある

取引先との接待や贈答などに使う交際費は、事業を円滑に進める上で必要な経費ですが、法人税法上、その損金算入(経費として認められること)には一定の制限が設けられています。

個人事業主の場合は、事業関連性が明確であれば、原則として交際費の全額を経費として計上できます。
しかし、法人の場合は、原則として交際費は損金不算入とされています。

ただし、中小法人(期末資本金の額が1億円以下の法人など)については特例措置があり、以下のいずれかの有利な方を選択して損金に算入できます。

  • 定額控除限度額: 年間800万円までの交際費
  • 接待飲食費の50%控除: 接待飲食費(社内飲食費を除く)の額の50%

資本金が1億円を超える大企業の場合は、接待飲食費の50%控除しか適用できません。

個人事業主時代と同じ感覚で交際費を使っていると、思った以上に損金に算入できず、結果的に納税額が増えてしまう可能性があります。

会議費や福利厚生費など、他の勘定科目に振り替えられるものはないか、適切に管理することが重要です。

税務調査のリスクと過度な節税の危険性

一般的に、法人化すると個人事業主よりも税務調査の対象となる可能性が高まると言われています。
これは、法人のほうが取引規模が大きく、税務処理も複雑になる傾向があるためです。

税務調査が入ると、帳簿書類の確認や代表者・経理担当者へのヒアリングが行われ、数日間拘束されることもあります。

もちろん、適正な会計処理と申告を行っていれば何も恐れることはありません。
しかし、節税を意識するあまり、事実を歪めたり、実態のない経費を計上したりする「脱税」行為は絶対に避けなければなりません

税務調査で申告漏れや不正が発覚した場合、本来納めるべき税金に加えて、延滞税や過少申告加算税、悪質な場合には重加算税といったペナルティ(附帯税)が課せられます。

重加算税は最大で追徴税額の40%にもなり、会社の信用にも関わる重大な問題です。

また、脱税には至らなくても、税法の趣旨から逸脱した「行き過ぎた節税」は、税務当局から「租税回避行為」とみなされ、否認されるリスクがあります。

節税策を検討・実行する際は、その内容が法的に問題ないか、経済的な合理性があるかなどを慎重に判断する必要があります。

これらのリスクを回避し、適切な節税を行うためには、税務の専門家である税理士に相談することが賢明です。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

会社設立と節税は税理士に相談すべきか

会社設立やその後の節税対策は、専門的な知識が不可欠です。個人事業主とは異なる税制や会計ルール、利用できる節税スキームも多岐にわたります。

正しい知識なしに進めてしまうと、本来得られたはずの節税メリットを逃したり、逆に追徴課税などのペナルティを受けるリスクもあります。
そこで重要な選択肢となるのが、税務の専門家である税理士への相談です。

この章では、会社設立や節税に関して税理士に相談するメリットや適切なタイミング、そして信頼できる税理士を選ぶためのポイントについて詳しく解説します。

税理士に相談するメリットとタイミング

税理士に相談することには、多くのメリットがあります。
特に会社設立という重要な局面においては、専門家のアドバイスが成功の鍵を握ると言っても過言ではありません。

相談するメリット

  • 最適な節税対策の提案:会社の状況や事業計画に合わせて、合法的かつ効果的な節税スキームを提案してもらえます。役員報酬の設定、経費計上の判断、各種制度の活用など、専門的な視点からのアドバイスは非常に価値があります。
  • 正確な税務申告と手続き代行:複雑な法人税の申告や各種届出を正確に行うことで、申告漏れや計算ミスによる追徴課税のリスクを回避できます。また、煩雑な手続きを代行してもらうことで、経営者は本来の事業活動に集中できます。
  • 経営に関するアドバイス:税理士は税務だけでなく、財務状況の分析や資金繰り、融資に関するアドバイスなど、経営全般にわたる相談相手にもなり得ます。客観的な視点からの意見は、経営判断の助けとなります。
  • 最新の税制改正への対応:税法は頻繁に改正されます。常に最新の情報を把握し、有利な制度を適用してもらえるのは大きなメリットです。
  • 時間と手間の削減:税務や会計に関する調査や作業にかかる時間を大幅に削減できます。

相談するタイミング

税理士に相談するタイミングは、早ければ早いほど多くのメリットを享受できます。

具体的には、以下のタイミングが考えられます。

相談タイミング主な相談内容・メリット
会社設立前
(事業計画段階)
事業計画の妥当性チェック、最適な法人形態(株式会社、合同会社など)の選択、資本金の設定、役員構成や役員報酬のシミュレーション、設立段階から見据えた節税戦略の立案、定款作成のアドバイスなど。設立後の税負担を最小限に抑えるための基盤を作れます。
設立準備中具体的な設立手続き(定款認証、登記申請など)のサポートや代行、税務署・都道府県・市町村への各種設立届出書の作成・提出、会計ソフトの選定や導入支援など。スムーズかつ正確な会社設立を実現できます。
会社設立後経理体制の構築サポート、記帳代行や自計化支援、月次決算による業績把握、決算対策と法人税申告、年末調整、継続的な節税対策の提案と実行支援、資金繰り相談、融資支援、税務調査対応など。安定した経営と継続的な節税を実現します。

理想は会社設立を決意した段階、つまり事業計画を練り始めた時点で相談することです。
これにより、設立後の運営を見据えた最適な会社設計が可能になります。

税理士選びのポイント

税理士なら誰でも良いというわけではありません。

会社設立や法人税務、そして自社の業種に精通した、信頼できるパートナーを選ぶことが重要です。

以下のポイントを参考に、慎重に選びましょう。

比較ポイント確認事項なぜ重要か
専門性・実績会社設立支援や法人税務に関する実績は豊富か、顧問先に同業種はいるか、節税に関する具体的な提案力はあるか。専門知識に基づいた的確なアドバイスや、業界特有の事情を踏まえた節税提案が期待できます。
コミュニケーション説明は専門用語ばかりでなく分かりやすいか、質問しやすい雰囲気か、レスポンス(返信速度や対応)は迅速かつ丁寧か円滑な意思疎通は、認識の齟齬を防ぎ、長期的な信頼関係の基盤となります。気軽に相談できる関係性が重要です。
料金体系顧問料、決算料、記帳代行料、スポット相談料などが明確に提示されているか、サービス内容に対して妥当な金額か、追加料金が発生するケースは何か。予算内で必要なサービスを受けられるかを確認し、後々の料金トラブルを避けるために重要です。複数の事務所を比較検討しましょう。
提供サービス記帳代行、給与計算、経営コンサルティング、融資支援、IT導入支援など、自社が必要とするサービスを提供しているか税務だけでなく、バックオフィス業務の効率化や経営全般のサポートを受けられる可能性があります。将来的なニーズも見据えて確認しましょう。
相性・人柄担当者と直接面談し、話しやすいか、信頼できそうか、経営方針やビジョンに共感してくれるか。税理士とは長期的な付き合いになることが多いため、経営のパートナーとして安心して相談できる相手かを見極めることが大切です。

これらのポイントを総合的に判断し、自社に最適な税理士を見つけることが、会社設立後のスムーズな経営と効果的な節税につながります。

無料相談を活用する方法

多くの税理士事務所では、初回無料相談を実施しています。
これは、税理士との相性やサービス内容、料金体系などを確認する絶好の機会です。

無料相談を有効に活用するためには、以下の点を意識しましょう。

  • 事前に相談したい内容を整理しておく:会社の概要、事業計画、具体的な質問事項(例:役員報酬はいくらが妥当か、利用できそうな節税策はあるかなど)をメモにまとめておくと、限られた時間内で効率的に相談できます。
  • 複数の税理士事務所で相談してみる:最低でも2~3箇所の事務所で無料相談を受けることをお勧めします。それぞれの税理士の考え方、得意分野、提案内容、料金、人柄などを比較検討することで、より自社に合った税理士を見つけやすくなります。
  • 相性を見極める:専門知識だけでなく、コミュニケーションの取りやすさや信頼感も重要な要素です。「この人になら安心して任せられる」と感じられるかどうか、直感も大切にしましょう。
  • 無料相談の範囲を確認する:どこまでが無料で、どこからが有料になるのかを事前に確認しておきましょう。
  • 具体的な質問をする:漠然とした相談ではなく、「資本金は〇〇円で考えているがどうか」「決算期は〇月が良いと聞いたがどうか」など、具体的な状況を伝えて質問すると、より的確なアドバイスが得られます。

無料相談は、税理士選びの第一歩です。

積極的に活用し、信頼できるパートナーを見つけましょう。

まとめ

会社設立は、個人事業主と比較して有利な法人税率、給与所得控除の活用、経費計上範囲の拡大など、多くの節税メリットが期待できます。

一方で、設立・維持コスト、社会保険への加入義務、赤字でも発生する法人住民税均等割といったデメリットも存在します。

最大限の節税効果を得るためには、資本金設定や役員報酬、各種節税策に関する専門知識が不可欠です。

安易な判断は避け、税理士への相談も視野に入れながら、メリット・デメリットを総合的に比較検討することが重要です。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

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経営サポートプラスアルファホールディングスは税理士法人や行政書士法人などを含むグループ会社経営によって、従来の会計業界の常識にとらわれることなく、クライアントの成長フェーズに合わせた幅広い事業展開を行っております。
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そしてこれからも起業家のサポーターとして「経営サポートプラスアルファ」という社名の通り、付加価値となるプラスアルファを追求していきます。