会社設立の資本金、最低額は1円?知らないと損する最適な金額の決め方

会社設立時の資本金は、法律上は最低1円から設定可能です。
しかし、安易に最低額で設立すると「社会的信用が得られない」「融資審査で不利になる」など、後々大きなデメリットが生じる可能性があります。

この記事では、なぜ資本金1円での会社設立がおすすめできないのかという明確な理由から、あなたの事業に最適な資本金額を算出する具体的な4ステップまでを徹底解説します。

初期費用や運転資金の計算方法、許認可の要件も踏まえた、失敗しない資本金の決め方がすべてわかります。

会社設立の資本金は最低1円で法律上OK

結論から言うと、現在の法律では、株式会社や合同会社などの会社は資本金1円から設立することが可能です。

かつては会社を設立するために数百万円単位の資本金が必要でしたが、法律の改正により、誰でも少ない元手で起業にチャレンジできる環境が整いました。

「会社を作るにはたくさんのお金が必要」というイメージは、今や過去のものとなっています。

ただし、法律上可能であることと、事業を円滑に進める上で最適であることは全く別の話です。

資本金が1円でも登記はできますが、実際には多くのデメリットが伴います。

まずは、なぜ1円での設立が可能になったのか、そしてそのメリット・デメリットを正しく理解しましょう。

なぜ資本金1円での会社設立が可能になったのか

資本金1円での会社設立が可能になったのは、2006年5月1日に施行された「会社法」によって、最低資本金制度が撤廃されたためです。

それ以前の法律(旧商法)では、会社の種類ごとに最低限必要な資本金の額が定められていました。

例えば、株式会社を設立するには1,000万円、有限会社(現在は新規設立不可)を設立するには300万円の資本金が必要でした。

この制度は、会社の財産的基礎を確保し、債権者を保護する目的がありましたが、一方で起業を目指す個人にとって大きな資金的ハードルとなっていました。

そこで、より多くの人が起業に挑戦しやすくし、経済を活性化させることを目的に会社法が制定され、この最低資本金制度がなくなりました。
これにより、理論上は手元に1円しかなくても、法人格を持つ会社を設立できるようになったのです。

資本金1円で会社を設立するメリットとデメリット

資本金1円での会社設立は、特に資金面に大きなメリットがある一方で、事業運営において深刻なデメリットも存在します。

両者を比較検討し、ご自身の状況に合った判断をすることが重要です。

メリットデメリット
初期費用を大幅に抑えられる

会社設立にかかる費用を最小限にできるのが最大のメリットです。
登記免許税などの法定費用は別途必要ですが、資本金として多額の資金を準備する必要がないため、手元資金が少ない状態でも法人設立に踏み切れます。
社会的信用度が著しく低い

資本金は会社の体力や信頼性を示す指標の一つです。
登記簿謄本で資本金が1円であることが分かると、取引先や金融機関から「事業を継続する体力がないのでは?」と見なされ、契約や取引を敬遠される可能性があります。
誰でも気軽に起業できる

資金的なハードルがないため、アイデアや情熱があれば誰でも法人格を取得し、事業をスタートできます。
個人事業主ではなく、最初から法人として事業を始めたい場合に有効です。
すぐに資金ショートするリスクが高い

会社を設立すると、売上がなくても家賃や光熱費、人件費などの経費(運転資金)が毎月発生します。
資本金が1円では、設立直後に売上が立たなかった場合、すぐに資金が底をつき事業継続が困難になります。
設立手続きが比較的容易

資本金の払込額が少ないため、金融機関での払込証明手続きなどがスムーズに進む場合があります。
ただし、手続き全体の手間が大きく変わるわけではありません。
金融機関からの融資がほぼ不可能

融資審査では、自己資金の額が事業への本気度や返済能力を測る重要な指標となります。
資本金1円では、事業計画の信頼性が低いと判断され、日本政策金融公庫の創業融資などを受けることは極めて困難です。
必要な許認可が取得できない

特定の業種(例:建設業、人材派遣業、旅行業など)では、事業を行うための許認可の取得要件として、一定額以上の資本金(純資産額)が定められています。
資本金1円では、これらの事業を始めることすらできません。

このように、資本金1円での設立は「登記ができる」という一点を除いて、事業を継続していく上でのデメリットが非常に大きいと言えます。

次の章では、なぜ最低額の資本金がおすすめできないのか、その理由をさらに詳しく解説していきます。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

最低額の資本金がおすすめできない3つの理由

2006年の会社法改正により、資本金1円でも株式会社を設立できるようになりました。
しかし、法律上は可能であっても、実務上の観点から資本金を最低額に設定することは多くのデメリットを伴います

資本金は、会社の「体力」と「信用力」を外部に示す重要な指標です。安易に1円で設立してしまうと、後々の事業展開で思わぬ壁にぶつかる可能性があります。

ここでは、最低額の資本金がおすすめできない具体的な3つの理由を詳しく解説します。

理由1 社会的な信用度が低くなる

資本金の額は、会社の登記事項証明書(登記簿謄本)に記載され、誰でも閲覧できます。
そのため、資本金の額は、その会社の経済的な基盤や事業に対する本気度を示す「会社の顔」とも言える存在です。

資本金が1円などの極端に低い金額である場合、取引先や金融機関、さらには求職者から次のような懸念を抱かれる可能性があります。

  • 「事業を継続する体力がないのではないか?」
  • 「すぐに倒産してしまうリスクがあるのでは?」
  • 「責任感の薄い会社かもしれない」

特に、企業間取引(BtoB)においては、新規取引を開始する際に相手企業の与信調査を行うのが一般的です。
その際、資本金の額は重要な判断材料の一つとなります。

資本金が極端に低いと、信用力が不足していると判断され、取引を断られたり、現金取引しか応じてもらえなかったりするケースも少なくありません。

資本金額想定される対外的な印象具体的な影響の例
1円~10万円未満事業への準備が不十分、経営基盤が脆弱との印象を与えやすい。・大手企業との取引が難しい
・オフィスの賃貸審査に通りにくい
・採用活動で応募者が集まりにくい
100万円~300万円程度ある程度の事業準備をしてきたという意思が伝わり、最低限の信頼を得やすい。・中小企業との取引は比較的スムーズに進む
・小規模な融資の土台になる
500万円以上経営基盤が安定しており、事業への本気度が高いと評価されやすい。・社会的な信用度が高まり、取引の幅が広がる
・金融機関からの融資審査で有利に働く

このように、資本金は名刺代わりの役割も果たします。

将来的な事業拡大を見据えるのであれば、対外的な信用を損なわない程度の金額を設定することが賢明です。

理由2 会社の体力がなく資金ショートしやすい

設立したばかりの会社は、すぐに売上が立つとは限りません。

多くの場合、事業が軌道に乗るまでの数ヶ月間は、売上がなくても経費だけが先に出ていきます。
この期間の活動資金となるのが「資本金」です。

つまり、資本金は、会社設立直後の運転資金であり、事業を継続させるための「体力」そのものです。

資本金が1円の場合、設立した瞬間に会社の自己資金はほぼゼロの状態です。

事務所の家賃、パソコンなどの備品購入費、広告宣伝費といった経費が発生した時点で、即座に資金が底をついてしまいます。

結果として、社長個人が会社にお金を貸し付ける「役員借入金」で賄うことになりますが、これは会計処理を複雑にするだけでなく、財務状況の見栄えも悪くします。

例えば、以下のような費用は会社設立直後から発生する可能性があります。

  • 事務所や店舗の家賃、敷金、礼金
  • パソコン、デスク、複合機などのOA機器購入費
  • インターネット回線や電話の開設費用
  • 名刺、パンフレットなどの販促物作成費
  • 商品の仕入れ費用
  • 従業員を雇用した場合の人件費

これらの初期費用や当面の運転資金を全く考慮せずに資本金を1円にしてしまうと、売上が入金される前に資金が尽きてしまい、事業を続けたくても続けられない「資金ショート」に陥るリスクが非常に高まります

黒字であっても倒産する可能性があるのは、この資金ショートが原因です。

会社の体力を確保するという意味で、少なくとも3ヶ月から6ヶ月分の運転資金に相当する額を資本金として準備しておくことが強く推奨されます。

理由3 融資審査で不利になる

事業を始めるにあたり、多くの起業家が日本政策金融公庫の新創業融資制度や、銀行・信用金庫からの融資を検討します。
しかし、資本金が極端に低い場合、この融資審査で著しく不利になる可能性が高いです。
なぜなら、金融機関は融資審査において「自己資金」を極めて重要な指標として見ているからです。

資本金は、客観的な資料(登記事項証明書)で証明できる最も分かりやすい自己資金です。

金融機関は、自己資金の額を通じて、以下の点を評価します。

  • 事業への本気度・覚悟: コツコツと貯めてきた自己資金が多いほど、事業に対する熱意や覚悟が強いと判断されます。
  • 計画性: 事業開始に向けて、どれだけ周到に準備を進めてきたかを示す指標となります。
  • リスク許容度: 自己資金が潤沢であれば、不測の事態にも対応できると見なされ、返済能力が高いと評価されます。

例えば、日本政策金融公庫の新創業融資制度では、創業資金総額に占める自己資金の割合が審査のポイントの一つとされています。

自己資金がほとんどない(=資本金が低い)状態では、「計画性がなく、事業が失敗するリスクが高い」と判断され、融資を断られたり、希望額を大幅に減額されたりする可能性が高まります。

融資を少しでも有利に進めたいのであれば、資本金という形でしっかりと自己資金を準備している姿勢を見せることが不可欠です。

融資の申し込みを検討している場合は、希望する融資額や事業計画とのバランスを考えながら、適切な資本金額を設定する必要があります。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

知らないと損する最適な資本金の決め方 4ステップ

法律上は1円から会社を設立できますが、事業を円滑に進めるためには適切な資本金額の設定が不可欠です。

資本金は、単なる設立時の手続きではなく、会社の体力や信用度を示す重要な指標となります。

ここでは、あなたの事業に最適な資本金額を導き出すための具体的な4つのステップを、計算例も交えながら詳しく解説します。

ステップ1 会社設立に必要な初期費用を計算する

まず、会社を設立し事業を開始するために最低限必要な「初期費用(イニシャルコスト)」をすべて洗い出しましょう。

これらは事業をスタートする前に支払う必要があるため、資本金で賄うべき費用の基本となります。

主な初期費用には、以下のようなものがあります。

費用の種類内容の例費用の目安
法定費用株式会社や合同会社の設立登記に必要な費用です。
定款認証手数料(株式会社のみ)、登録免許税、定款に貼付する収入印紙代(電子定款の場合は不要)などが含まれます。
合同会社:約6万円〜
株式会社:約20万円〜
事務所・店舗関連費事務所や店舗を借りる場合の費用です。
保証金(敷金)、礼金、仲介手数料、前払家賃、内装工事費などが該当します。
家賃の6ヶ月〜10ヶ月分程度
設備・備品購入費事業に必要なデスク、椅子、パソコン、電話、複合機、業務用ソフトウェア、車両、専門機器などの購入費用です。事業内容により大きく変動
広告宣伝費会社のウェブサイト制作費、名刺・パンフレットの作成費、ロゴデザイン費、開業当初の広告出稿費などです。数万円〜数百万円

これらの項目を自身の事業計画に当てはめてリストアップし、合計金額を算出してください。

この初期費用の合計額が、資本金として設定すべき最低ラインの一つの目安となります。

ステップ2 3ヶ月から6ヶ月分の運転資金を準備する

会社設立後、すぐに売上が立ち、利益が安定するとは限りません。

売上がゼロでも会社を維持していくための「運転資金(ランニングコスト)」を、資本金としてあらかじめ準備しておくことが極めて重要です。

資金が不足して事業継続が困難になる「資金ショート」を避けるためです。

一般的に、最低でも3ヶ月分、できれば6ヶ月分の運転資金を資本金に含めておくことが推奨されます。
これにより、売上が安定するまでの期間を乗り切り、精神的な余裕を持って事業に集中できます。

主な運転資金(1ヶ月あたり)の項目は以下の通りです。

費用の種類内容の例
固定費役員報酬、従業員の給与、社会保険料、事務所・店舗の家賃、水道光熱費、通信費、リース料など、売上に関わらず毎月発生する費用。
変動費商品の仕入費、材料費、外注費、販売手数料、広告宣伝費、交通費など、売上の増減に伴って変動する費用。

例えば、1ヶ月の運転資金が50万円かかる場合、3ヶ月分なら150万円、6ヶ月分なら300万円が必要となります。

ステップ1で算出した初期費用に、この運転資金を加えた金額が、より現実的で安全な資本金の目安となります。

【資本金額の計算例】
初期費用100万円 + 運転資金(50万円/月 × 6ヶ月分) = 資本金の目安 400万円

ステップ3 事業に必要な許認可の要件を確認する

特定の事業を行うためには、国や地方公共団体から「許認可」を得る必要があります。
そして、許認可の中には、取得の要件として一定額以上の資本金(または自己資本、純資産)が定められているものがあります。

もし許認可が必要な事業を計画している場合、この要件を満たさないと事業を始めることすらできません。

会社設立前に、必ず自分の事業に許認可が必要かどうか、そしてその要件を確認しましょう。

以下は、資本金や資産に関する要件が定められている許認可の一例です。

業種許認可の種類主な資産要件
建設業一般建設業許可自己資本の額が500万円以上であること 等
建設業特定建設業許可資本金2,000万円以上、かつ自己資本4,000万円以上であること 等
人材派遣業一般労働者派遣事業許可資産総額から負債総額を控除した額(基準資産額)が2,000万円以上であること 等
旅行業第1種旅行業登録基準資産額が3,000万円以上であること
有料職業紹介事業有料職業紹介事業許可資産総額から負債総額を控除した額が500万円以上であること 等

これらの要件は非常に厳格です。該当する可能性がある場合は、必ず管轄の行政庁のウェブサイトを確認したり、行政書士などの専門家に相談したりすることをおすすめします。

ステップ4 消費税の免税や融資制度を考慮する

最後に、税金や融資といった資金繰りに関わる制度面から資本金額を調整します。

戦略的に資本金額を決めることで、大きなメリットを得られる可能性があります。

資本金1,000万円未満で消費税の免税事業者に

資本金を1,000万円未満に設定すると、原則として設立から最大2年間、消費税の納税が免除されます。
これは「免税事業者」という制度によるもので、設立当初のキャッシュフローに大きな好影響を与えます。
例えば、課税売上が年間880万円(うち消費税80万円)の場合、免税事業者であればこの80万円を納税する必要がありません。
この資金を事業投資に回すことができるため、特にスモールスタートを目指す起業家にとっては非常に大きなメリットです。

ただし、設立1期目の上半期(特定期間)の課税売上高が1,000万円を超えた場合など、2期目から課税事業者になるケースもあります。
また、インボイス制度の開始に伴い、取引先との関係からあえて設立当初から課税事業者(適格請求書発行事業者)を選択する戦略も考えられます。

自社のビジネスモデルに合わせて慎重に判断しましょう。

自己資金要件と資本金の関係

創業時に日本政策金融公庫の「新創業融資制度」などの公的な融資制度の利用を検討している場合、資本金額が審査に影響を与えることがあります。

多くの創業融資では「自己資金要件」が設けられています。
例えば、「創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる方」といった要件です。
この「自己資金」を客観的に証明する最も強力な証拠の一つが、会社の登記事項証明書に記載される「資本金」です。

希望する融資額に対して資本金があまりに少ないと、事業への準備不足や本気度を疑われ、審査で不利になる可能性があります。
逆に、十分な資本金を用意することで、自己資金が潤沢であること、事業計画に具体性があることをアピールでき、融資を受けやすくなります。
融資を検討している場合は、希望融資額や自己資金要件から逆算して資本金額を決めるという視点も重要です。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

会社設立時の資本金に関する注意点

資本金の額を決める際には、法律上のルールや実務上のテクニックが存在します。

ここでは、会社設立時に知っておくべき資本金に関する3つの重要な注意点を解説します。

これらを知らないと、後々大きなトラブルに発展する可能性もあるため、必ず確認しておきましょう。

資本金の見せ金は絶対にしてはいけない

「見せ金(みせがね)」とは、会社設立時に資本金が十分にあるように見せかけるため、一時的に他人からお金を借りてきて自分の口座に入金し、設立登記が完了した直後に引き出して返済する行為を指します。

手元に自己資金がない場合でも、見かけ上の資本金を大きく見せられるため安易に行われがちですが、見せ金は会社法で固く禁じられている違法行為です。

この行為は、会社の財産的基礎を偽るものであり、債権者を害する可能性があるため、発覚した際には厳しいペナルティが科されます。

具体的には、以下のようなリスクが伴います。

  • 会社の設立が無効になる可能性
    見せ金による払込は法的に無効と判断され、会社の設立自体が取り消されることがあります。
  • 刑事罰の対象となる可能性
    登記申請の際に虚偽の申告をしたとして、公正証書原本不実記載等罪(刑法第157条)に問われる可能性があります。
  • 金融機関からの信用失墜
    見せ金の事実が発覚すれば、金融機関からの信用は完全に失われ、将来的に融資を受けることは極めて困難になります。

資本金は、会社の事業を支えるための重要な元手です。見せかけの金額で取り繕うのではなく、身の丈に合った適切な金額を設定することが、健全な会社経営の第一歩となります。

資本金はあとから増資も可能

会社設立時の資本金額に悩みすぎている方もいるかもしれませんが、資本金は一度決めたら変更できないわけではありません。

会社の成長や事業の状況に応じて、設立後に「増資」という手続きで資本金を増やすことが可能です。
そのため、設立当初はスモールスタートを切り、事業が軌道に乗ってから増資を検討するという戦略も有効です。

増資とは、新たに株式を発行し、その対価として出資を受けることで資本金を増加させる手続きです。

増資にはいくつかの方法がありますが、中小企業でよく用いられるのは以下の2つです。

増資の方法概要主な特徴
株主割当増資既存の株主に対して、その持株比率に応じて新株を引き受ける権利を与える方法。既存株主の持株比率が変わらないため、経営権への影響が少ない。
第三者割当増資特定の第三者(取引先、役員、エンジェル投資家、ベンチャーキャピタルなど)に新株を割り当てる方法。特定の相手と資本業務提携を結んだり、新たな経営参画者を迎え入れたりする際に活用される。

増資を行うことで、財務基盤が強化され、社会的な信用度が高まるというメリットがあります。

ただし、増資には株主総会の決議や法務局での変更登記手続きが必要となり、登録免許税(増加した資本金額の1000分の7、最低3万円)などの費用も発生します。

事業のフェーズを見極め、適切なタイミングで増資を検討しましょう。

現物出資という方法も検討する

資本金は現金で払い込むのが一般的ですが、「現物出資」という方法で現金以外の資産を資本金に充てることもできます。

現物出資とは、自動車、パソコン、不動産、有価証券、特許権といった金銭以外の財産を出資することを指します。

手元に十分な現金がない場合でも、事業に必要な資産をすでに所有していれば、それを資本金として活用できるのが大きなメリットです。

例えば、事業で使う予定のPC(15万円相当)と自動車(85万円相当)を現物出資すれば、現金がなくても資本金100万円の会社を設立できます。

現物出資を行う場合、原則としてその財産の価額が妥当であるかを裁判所が選任した検査役が調査する必要があります。
しかし、この手続きは時間と費用がかかるため、実務上は以下の例外規定が活用されることがほとんどです。

  • 現物出資する財産の総額が500万円以下の場合
  • 市場価格のある有価証券で、定められた方法により算定される価額を超えない場合
  • 弁護士や公認会計士、税理士などによる価額の証明を受けた場合

特に、設立時に現物出資する財産の合計額が500万円以下であれば、検査役の調査が不要となり、比較的簡単な手続きで済みます。

具体的には、定款に現物出資する人の氏名、出資する財産、その価額、割り当てる株式数を記載し、調査報告書などの書類を添付して登記申請を行います。

手持ちの資産を有効活用したい場合は、現物出資も有力な選択肢として検討してみましょう。

まとめ

会社設立時の資本金は、法律上1円から設定可能です。
しかし、資本金が少なすぎると、社会的信用度の低下や資金ショートのリスク、融資審査での不利といったデメリットが生じます。

最適な資本金額は「初期費用+3〜6ヶ月分の運転資金」を目安に、許認可の要件や消費税の免税などを考慮して総合的に判断することが重要です。

将来の増資も可能ですが、まずは事業計画に基づいた適切な自己資金を用意し、安定したスタートを切りましょう。

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